"脱石炭宣言"をどう解釈するか/ 「出力制御」とは?
【3】再エネをもっといかすには 急増する出力制御
【6】オレンジ果汁不足・高騰 相次ぐ飲料販売休止
【8】アップルTV気候変動ドラマ、『エクストラポレーションズ〜すぐそこにある未来(Extrapolations)』
こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて620名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは990名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。日本ではゴールデンウィークの連休で観光やゆっくりした時間を過ごされている方も多いと思いますので、今週はコンパクトにお届けしたいと思います🙂。
日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。
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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】G7 気候・エネルギー・環境相会合 閣僚声明を採択して終了 [5/1 NHK]
"イタリアで行われていたG7=主要7か国の気候・エネルギー・環境相会合は2日間の議論を終えて閉幕しました。焦点の石炭火力発電では、温室効果ガスの削減対策が取られていない設備を2030年代の前半までに段階的に廃止することなどで合意しました。"
*日本の石炭火力どうなる? G7の廃止声明で [5/2 日本経済新聞🔏]
"気候・エネルギー・環境相会合の共同声明では石炭火力の段階的な廃止も認め、35年以降も柔軟性を持たせる表現で決着した。抜け道は残された格好だが、石炭の廃止を迫る国際社会の圧力は強まる。日本は24年度中に40年度までを見据えた次期エネルギー基本計画を策定する中で、石炭火力をどう位置づけるかが注目される。"
*石炭廃止目標に「政策に大きな変更の必要ない」 経産省の主張の背景[5/1 朝日新聞🔏]
"石炭から脱却できない理由として、経産省は「電力の安定供給」を挙げる。原子力発電所の多くが停止する中、再生可能エネルギー導入期の補完的な役割として、火力発電は欠かせないとの立場だからだ。中でも石炭は保存ができ、産出国もばらけているだけでなく、石油や天然ガスと比べても安価だ。「日本にとっては年限を切るのは難しい」(経産省幹部)のが実情だ。"
*「脱石炭」の圧力に抵抗してきた日本 G7廃止期限合意の影響は? [5/1 毎日新聞🔏]
*石炭火力発電に強まる廃止圧力、アンモニア活用など現実路線探る日本 原発再稼働進まず [5/1 産経新聞🔏]
"とはいえ、欧州などが求めていた廃止の年限が初めて共同声明に盛り込まれ、これまで反対してきた日本が切り崩された印象はぬぐえない。石炭火力を擁する企業には不安の色も透ける。"
【2】経産省「公平性の観点から年齢だけに着目した選定はしない」気候変動対策の議論に若者の参加を求める院内集会で [5/2 ハフポスト]
"日本若者協議会など複数の若者団体は4月30日、「エネルギー政策の有識者会議への若者委員の参加を考える院内会議」を開催した。野党の議員らや経産省、環境省の担当者、一般の参加者らが参加した。"
【3】時論公論 再エネをもっといかすには 急増する出力制御 [5/1 NHK /見逃し視聴可(NHK プラス 5/8 23:00迄)
▶とても分かりやすかったです👇
"脱炭素に向けて政府が主力電源と位置づける太陽光などの再生可能エネルギーが使い切れず、強制的に発電を止める「出力制御」が急増しています。その対策を考えます。"
【4】ディマンド・リスポンス(DR)実施事業者一覧 [資源エネルギー庁]
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電気料金型:時間帯別の電気料金設定により電力需要を制御する仕組み
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インセンティブ型:需要家が電力会社などの依頼に応じて電力需要の抑制等をすることにより、電力会社から対価を得る仕組み
*NACHARGE(ネイチャージ)|中部電力ミライズ
再エネの「出力制御」を減らすための工夫として、自宅などでも電気を節約する方法、ポイントなどが得られ、行動変容を促す仕組みがあることを知りました。こちらは私が住む中部地方の例ですが全国の実施事業者があるとのこと、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
【5】移動エコ活アプリ『moveco<ムブコ>』、ゼロカーボンを目指す自治体向け連携プランを提供開始、無料トライアルの参加自治体を募集![2/29 ナビタイム株式会社 /PRTimes]
電気代節約の延長で先日見つけた気になるアプリのご紹介です。乗り換えアプリ等で有名なナビタイムが提供するmoveco(ムブコ)は、「エコと移動でポイントが貯まるポイ活アプリ」として2022年10月にスタートしたサービスです。気候変動対策に向けて何か日常的に意識して暮らしてみたいという時にはこうしたアプリによる行動変容もありなのでは、と感じます。まだ使用開始から1週間ではありますが、自分の生活スタイル、運動量なども知れるので気に入ってます🙂。
image credit : moveco
【6】オレンジ果汁不足・高騰 相次ぐ飲料販売休止 「Dole」「バヤリース」… [4/29 日本農業新聞]
"国内飲料メーカーによるオレンジジュース商品の販売休止が相次いでいる。主産国での減産などで世界的にオレンジ果汁が不足し、価格も高騰しているためだ。国内で流通する果汁のうち約9割が輸入品と推計され、絶対量が足りていない。事態の収束が見通せない中、国産果汁の確保に動く国内メーカーも出始めている。"
*Orange juice prices to surge as US crops ravaged by disease and climate [2023/8/11 The Guardian]
"オレンジジュースの価格が高騰へ 病虫害と気候で荒らされる米国産作物〜気候危機による異常気象と細菌性病害がオレンジ作物の「激減」を招く"
image credit: 日本農業新聞
今年の4月に東京大学の新入学部生全員に向けて公開された「サステイナビリティ(GX)リテラシー教育」についての動画を先日目にしました。大学生のみならず社会人にとっても学ぶ点が多いのでは、と思いご紹介です。この他にも「東京大学 SPRING GX 」というYouTubeチャンネルには多くの気候変動・GX関連の講義が公開されています。ご興味ある方はぜひ:)
【8】アップルTV気候変動ドラマ、『エクストラポレーションズ〜すぐそこにある未来(Extrapolations)』
ゴールデンウィーク!ということで気候変動関連の配信ドラマのご紹介です。ドラマの名前は、『エクストラポレーションズ〜すぐそこにある未来(Extrapolations)(Apple TV +) 』で、昨年3/17に公開された合計8話の作品です。(日本語字幕&吹替版有)。Apple TV+は利用者が少ないこともあるのかもしれませんが、今までにこの作品を観た人に残念ながら1人も会ったことがないです😢。とはいえ、個人的にはエンタメ作品としてもとても面白く視聴することができました。7日間は無料お試し視聴もできるのでご興味ある方はぜひ🍿
Why it matter? なぜ注目しているか?(昨年3/27配信のニュースレターより)
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時に複雑で、まだ先のことと思いがちで、難しく、とっつきにくい印象の気候変動問題の理解を深めるために、映画やドラマ作品によるエンターテインメントはとても重要と感じるから。*参考『ドント・ルック・アップ( Netflix)』
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この作品のスコット・バーンズ監督はパンデミックを予見したと言われる感染症の恐怖を描いた『コンテイジョン』を手掛け、かつて『不都合な真実』の制作に関わったという経緯の持ち主であること
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巨大テック企業アップル社の配信サービスにおいて、メリル・ストリープ、エドワード・ノートン、トビー・マグワイア等の豪華著名俳優陣が出演、予算規模1,000万ドルとも言われる程の力の入った作品であること
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2037年から2070年の33年間の間に、気候変動の影響を受け、世界がどのような姿になるのか、SF的なストーリーとビジュアルで思いを巡らすことができること。
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マイアミでの海面上昇・洪水、ムンバイでの熱波、地球を冷やすために大気中に化学物質を散布するという物議を醸す「地球工学」の取組み等、現在話題になっていることが映像として映し出されることでリアリティを持って未来予測の議論のきっかけとなること
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いくつかのレビュー記事で酷評されているように、気候変動問題に対して「上から目線で説教ぽい」側面が感じられる一方、このテーマのストーリーテリング、メディアでの取り扱い、社会での受け止められ方が極めて難しいということを理解するきっかけとして
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将来の日常におけるテクノロジーのあり方を覗き見&想像できる点(空飛ぶクルマ、ホログラムやVR・ARグラスを使ったビデオ通話、無人貨物配送ドローン等…
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超富裕層のハイテク企業CEOの存在、テクノロジーによる気候問題解決に関する過信・奢り、そして政治的・社会的な反発等
【9】Sushi Tech Tokyo 2024 - Global Startup Program [5/15&16 ]
昨年は2月末に「City-Tech Tokyo」という名前で開催されたイベントが今年は「Sushi Tech Tokyo」と名称が変更され、5月中旬に東京ビッグサイトで開催されます(昨年参加後に書いたBlog)。具体的なプログラムの内容、スピーカーが確定しつつあるようで、眺めてみるととても魅力的なセッションが数多く用意されています。イベント専用の「マッチングシステム」も用意されていて、事前事後に参加予定者と交流できる仕組みも用意されています。私も当日伺う予定です。ぜひいらっしゃる方はお声かけいただけたら嬉しいです🙂。
*気になる"climate系"セッション[全体タイムテーブル]
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5/15 11:00-11:45 [Stage D]- ClimateTechにおけるスタートアップと大企業の共創
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5/15 13:00-16:30 [Stage D] - SusHi Tech Challenge 2024 セミファイナル
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5/15 14:00-14:45 [Stage B]サステナビリティファイナンスの変革へ向けて:ESG・SDGsの未来と気候ファイナンス
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5/15 15:00-15:45 [Stage C]DeepTechの未来を解明:日本から世界への挑戦
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5/16 10:00-10:50 [Stage A] - 2024年の炭素除去の状況:新興リスクとアーリーリワード
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5/16 14:00-14:45 [Stage B] - 日本から世界へ: イチゴ植物工場が生みだす200兆円産業
【10】気候変動関連ニュースが課金の壁を超えて広く読まれることの重要さ [4/29 note / 日経COMEMO]
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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