2024年の気候変動アクション:スポーツから選挙まで、声を上げる時代に

【👀🚨注目3トピック】
【1】「気候変動アクション日本サミット2024」
【5】第50回衆議院議員選挙 各党選挙公約の気候変動エネルギー政策に関する分析
【7】世界の水循環のバランスが崩壊、「人類史上初」 食糧生産半減の恐れも
市川裕康 2024.10.19
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて730名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは1,040名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。

日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

【Climate Curation配信プラットフォーム】

***

【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

2024年10月18日(金)に虎ノ門ヒルズで開催された「気候変動アクション日本サミット (Japan Climate Action Summit: JCAS) 2024」(主催:気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative: JCI))に参加する機会をいただきました。

日本の気候変動政策の今後の道筋を示す第7次エネルギー基本計画の策定に向けて議論が本格化しつつあるタイミングで開催され、気候変動政策や再生可能エネルギーの拡大についての議論が行われました。

各分野で活躍されている専門家、企業、実践者、若者など、幅広い登壇者の知見に触れることができ、とても貴重な機会でした。普段ニュースやテレビやオンラインイベントなどで画面を通じて存じ上げていて注目していた多くの方々が登壇されていて、たくさんの学びと刺激を頂きました。ぜひまた来年も参加してみたいと思いました🙂

これまでのサミットと同様、近く日英のアーカイブ動画が公開されるとのことです。ぜひウェブサイトを確認してみてください:)

"暖かい空気の影響で19日、北日本から西日本の太平洋側などの広い範囲で気温が上がった。東京都心は最高気温が30.1度で、1875年の観測開始以来、最も遅い真夏日(30度以上)となり、2013年の10月12日だった記録を11年ぶりに更新。他に福島県浪江町や静岡市清水区など、真夏日の地点が相次いだ。"

【🙋】10月中旬にも関わらず暑い1週間でした。しかも本日開催された駅伝予選会では異例の残暑により、以下のような痛ましいアクシデントも...

【🙋】スポーツという多くの人が身近に感じられる切り口で気候変動について考える機運が高まりつつあることを感じます。日本経済新聞で連載されているJリーグによる気候変動対策の取り組みを追った連載記事も今回4本目。とても読み応えがありました。

  • イングランドの名門クラブ、トッテナム・ホットスパーが気候対策とサステナビリティで先駆的な取り組みを実施

  • 選手教育からスタジアム運営まで、様々な環境に配慮した実践を導入

  • 欧州サッカークラブが環境イニシアチブに積極的に取り組み、長期戦略の一環として位置付け

【🙋】猛暑の影響を受けたマラソン(駅伝)、野球(甲子園)、オリンピック、サッカーだけでなく、ウィンタースポーツも温暖化によって雪不足に直面するなど影響を受けているとのことです。

気候変動対策に取り組む一般社団法人「Protect Our Winters Japan」(POW)が対策強化を呼びかけ、127の企業や団体などから賛同を得たと報じられています。

2024年の秋にこれまでの一年を振り返ると、スポーツ、農業、漁業、そして気象キャスター有志の方々など、それぞれの立場で気候変動対策に声を上げる人が増えていることを感じます。

気候変動対策のための「声をあげる」行為として最も大きなインパクトがあるのが「選挙での投票」という行為といえるのではないでしょうか。27日投開票の衆議院選挙を控え、あまり話題になることは少ないかもしれませんが、こちらのレポートでは各政党の選挙公約(マニフェスト・政策)をもとに、地球温暖化対策に関連した政策の評価分析がまとめられています。大切な一票を投じる際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

image credit: 気候ネットワーク

image credit: 気候ネットワーク

【🙋】*先週号で取り上げた「日本若者協議会」が実施した世論調査結果について、詳しい解説がされてます。

"「衆院選で、気候変動への対応を公約に掲げた候補者が現れたら、その候補者に関心を持ちますか?」という質問では、「関心を持つ」「どちらかと言えば関心を持つ」と答えた回答者は、40.2%だった。"

ちなみに、米国の大統領選挙と中間選挙において地球温暖化を投票の際にどれくらい優先事項として捉えているかについて、イェール大学とジョージ・メイソン大学が2014年から2024年まで調査した結果は以下の通りです。2024年の登録有権者全体の39%が地球温暖化は投票において「非常に重要な」問題であると回答しています(10年前は32%)。内訳としてはリベラル民主党員(70%)、中道/保守民主党員(51%)、リベラル/中道共和党員(19%)、保守共和党員(8%)となっています。

出典:YPCCC’s Resources on Climate in the 2024 U.S. General Election [10/8 Yale Program on Climate Change Communication]

image credit: Yale Program on Climate Change Communication

【6】米国大統領選、気候テクノロジー投資家を様子見モードに - トランプ氏の再選可能性と、その炭素削減技術への影響に直面し、投資が停滞[10/15 Bloomberg Green🔏 / 🎁ギフトURL]

  • 米国選挙の結果の不確実性により、クリーンテク投資家は慎重な姿勢を示している

  • トランプ氏の気候イニシアチブ撤回の可能性は、ハリス氏のバイデン政策継続予想と対照的

  • 一部の企業は緊急計画を立てる一方、他社は防衛応用技術に焦点を当てている

【🙋】世界的な気候変動対策に大きな影響をもたらすことが予想される米大統領選挙の見通しは全く予想がつかないと言われていますが、現時点の激戦州における予想ではトランプ氏が0.8ポイント優勢と予測サイトの「リアルクリアポリティクス」が示しています。気候テックのスタートアップ、投資家なども様子見モードであるとブルームバーグが報じています。

今週何度となくSNSなどで目にしたこちらのニュース。The Guardianの記事は4700以上のエンゲージメントで広く拡散されていた1本。

  • 25年以内に水不足により世界の食糧生産の50%以上が危機に

  • 世界人口の半分がすでに水不足に直面、悪化の見込み

  • 水資源の保全と生態系保護のための緊急対策が必要

*世界の水危機、今後25年で世界の食糧生産の半分が危機に - 画期的な報告書:淡水供給する生態系を守り、水資源を保全するため緊急対策が必要と指摘 [10/16 The Guardian]

10/21から2年に1度の生物多様性条約の締約国会議(COP16)がコロンビアで開かれるにも関わらず、あまり話題になっていないようです。が、こちらの記事では金融大手が注目しているとのこと。自分もまだまだ理解が浅い分野ですが注目していきたいと思います。

*人間の活動により価値は40%減少、自然資本の損失が企業活動に与える「3つのリスク」とは? - 自然と人間の関係性と、企業がネイチャーポジティブに対応すべき理由 [10/10 Japan Innovation review]

ビル・ゲイツ氏が率いるブレーク・スルー・エナジーによる「The State of the Transition」の2024年版が10月16日に全79ページのレポートとして公開されました。今年の7月26日に開催されたサミットイベントの様子も動画で公開されています。未来を感じられるようなテクノロジーや資金の動きのダイナミックな様子を窺うことができます。ご興味ある方はぜひ🙂

【10】SOSV Climate Tech Summit 2024 [10/14-18]

【🙋】気候テックに対しては近年逆風が吹いている印象も投資・調達額のデータからは感じられるものの、こうしたカンファレンスにおいては起業家や投資家が直接現在の状況をプレゼンしてくれることで実際の様子が窺うことができます。SOSV Climate Tech Summit 2024は、10月14日から18日にかけて開催されたオンラインイベントで、気候技術のスタートアップエコシステムを形成する創業者、投資家、技術者、企業、政策立案者、メディア関係者が登壇していました。16日と17日のメインステージのイベントはすべてアーカイブが公開されています。気になる企業やテーマのプレゼンテーションを視聴してみたいと思います。

【活動紹介】今週24日に名古屋で開催される以下のイベントで短い時間ですがClimate techトレンドなどについてプレゼンテーションをさせていただきます。名古屋近辺の方でご興味持っていただける方はぜひご参加ください。環境・エネルギー分野のスタートアップのプレゼンテーションが注目です👀🚀

<開催概要>◇日時:2024年10月24日(木)15:00~18:00 / 対象:共同研究や新事業展開など協業先探索にご関心のある方 / ◇参加費:無料 ◇現地会場: ナゴヤ イノベーターズ ガレージ(ナディアパーク4F)

***

ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたらSNSなどで「いいね」や「シェア」をお願いします 🙇‍♂️🙂[ハッシュタグ: #ClimateCuration ]  みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい連休をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

▶Twitter: @SocialCompany

▶📬Climate Curation配信プラットフォーム

無料で「クライメートキュレーション|Climate Curation」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
気候変動の最前線:ハリケーン・異常気象をどう伝えるか
誰でも
脱炭素経営EXPO / 英国最後の石炭火力発電所が閉鎖 / エネルギー...
誰でも
気候変動対策の秋:若者の声、気候テックの挑戦、海外と日本とでの温度感の...
誰でも
気候変動対策キャンペーン、イベント目白押しの秋へ🍁 #再エネの日 #だ...
誰でも
気候変動報道座談会 / 再エネの可能性と課題 /気候テック分野の「すご...
誰でも
異常気象と気候変動:報道の転換点と次世代エネルギーの台頭
誰でも
温度差のある報道:日本と世界の気候変動ニュースの違いを探る
誰でも
Media is Hope AWARD 2024「メディア貢献賞」とし...