🌡️ 1.5℃超えの現実 vs 政策の鈍化 ― 世界を覆う猛暑・海の異変・AIの電力爆食

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• 🇯🇵Climate Curation vol. 170 音声概要 [7:25 min.]

• 🇺🇲Climate Curation vol. 170 audio summary in English [13:12 min.]

*免責事項：要約、翻訳、編集の際にClaude Sonet 4.0 などの生成AIツールを使用しています🙂

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

*今回も前回に引き続き、英語圏の記事を中心にピックアップしました。日本における気候変動・脱炭素関連のニュースは毎週水曜日に配信しているJapan Climate Curationで英語で報じられているニュースを中心にまとめています。以下の【Japan Climate Curation #164】をご覧ください。

🌡️ 日本で41.8℃の最高気温更新　海水温上昇は世界平均の2倍、エネルギー政策にも影響[8/6 Japan Climate Curation #164]

• 🎧 - 🇯🇵日本語での音声概要: Japan Climate Curation vol. 164 [6:33 min.]

• 日本では群馬県で41.8℃を記録し、過去最高を更新。海水温は平年より1.7℃高く、この10年で漁獲量は10分の1に減少しました。深刻化する気候危機の中、電力不要の冷却ジャケットなど暑さ対策製品を119社が発表。一方、エネルギー転換には課題が山積みです。アンモニア混焼には15年間で15～30兆円の補助金が必要とされ、25のEU諸国で普及するプラグイン型太陽光は規制で導入が進まず。国際面では、トランプ氏のLNG輸入圧力で比率が10％から30％に拡大。600億ドル超のアラスカ計画はコスト倍増でアジアの支援を得られず難航しています。投資も明暗が分かれ、パナソニックは全固体電池を「ニッチ」として後退、トヨタは2027年投入予定。住友三井トラストは150億円規模のセカンダリーファンドを設立。クライメートテックでは基礎研究から商業化への橋渡しが課題です。

【1】🌡️ 7月、観測史上3番目の高温　トルコで50.5度の記録更新とEU科学者発表 [8/7 Reuters]

• 2025年7月は観測史上3番目に暑い7月となり、トルコでは50.5℃の国内最高気温を記録しました。EUコペルニクス気候変動サービスEUコペルニクス気候変動サービスEUコペルニクス気候変動サービによると、世界平均気温は1991〜2020年平均を0.45℃上回り、産業革命前比で+1.25℃。 2024年8月〜2025年7月の12カ月平均では+1.53℃とパリ協定目標の1.5℃を超過。 記録的高温は一旦途切れたものの、熱波や洪水など温暖化の影響は続き、専門家はCO₂排出削減加速を訴えています。

【2】日本経済新聞特集🥵「ニューノーマル」＋2度は日常

①日本の海水温上昇幅は世界の2倍　逃げるサンマやイカ、漁獲10分の1 [8/5 日本経済新聞]

②猛暑に負けないコメやリンゴに　農水省、改良重ね「推し品種」[8/6]

③溶ける北極の氷、弱まる「地球の冷却源」　50度超の熱波で山火事も頻発[8/7]

④名門ゴルフコース、海面上昇で水没危機　26年W杯会場9割で熱リスク[8/8]

【3】🧠 これほど異常気象が続いても、人間が深刻な危機感を抱かない理由 [8/7 COURRiER Japon]

• 猛暑は命を奪うだけでなく、細胞や組織を劣化させ、生物学的老化を喫煙や過度な飲酒並みに早めることが最新研究で判明しました。* 米国の調査では、年間140日以上の猛暑日にさらされる人は、10日未満の人より最大14カ月早く老化。 異常気象の経験だけでは気候変動対策への支持は高まらず、むしろ「気候変動が異常気象を悪化させている」との関連性を理解することが支持を強める要因であるといいます。 しかし、多くの報道では災害と気候変動の関連性が示されず、行動変容の機会を逃しているのが現状です。研究者は、メディアが科学的関連を明確に示すことが、政策支持と行動の促進に不可欠だと指摘しています。

【4】🧠 気候不安とは何か？その背景と影響を解説 [8/7 Carbon Brief]

• 世界的に気温記録が更新され、異常気象が頻発する中、「気候不安（climate anxiety）」を感じる人が増えています。* 94件の研究（27か国・17万人対象）を分析した結果、若者、女性、左派的傾向、自然や未来への懸念を持つ人ほど気候不安を抱きやすいことが判明。 これは幸福感を下げる一方で、節エネや気候行動への参加を促す側面もあります。 一般的な不安とは異なり、実際の脅威への正常な反応として捉えるべきと研究者は指摘します。

【5】🌍 揺らぐ欧州の気候合意　極右の圧力に中道も歩調、対応は鈍く [7/31 The Economist]

• 欧州では、物価高やエネルギー価格の上昇、安全保障不安が重なり、気候変動対策の政治的優先度が低下しています。* 極右だけでなく中道右派も再生可能エネルギーや電気自動車（EV）義務化への懐疑を強め、規制緩和や公共支出削減の動きが広がっています。 EUは2050年の気候中立目標や2030年の温室効果ガス削減目標（1990年比55％減）を維持しつつ、排出取引制度（ETS）の柔軟化、産業保護策、対中貿易規制の強化などで企業支持の確保を図っています。 しかし、財政制約や防衛費増大による予算競合、国民負担への配慮から政策実行の速度は鈍化。2019年前後のような一枚岩の気候合意は揺らぎ、進展の持続性が問われる局面を迎えています。

【6】♻️ プラ条約交渉、ささやかれる「最悪のシナリオ」　あの国も波乱要素 [8/4 毎日新聞]

• プラスチック汚染防止条約を巡る政府間交渉がジュネーブで開始。 議長案は設計から廃棄までのライフサイクル全体を対象とし、生産段階規制を含むが、EUや島しょ国は削減目標を支持、産油国は廃棄物管理重視で対立。 全会一致が必要なため妥協は難航が予想される。 日本は幅広い国の参加を重視し、生産規制には慎重。生産規制が弱まれば実効性が失われかねず、10日間の交渉が注目される。

• 📺 みみより！解説　プラスチック汚染を止められるか？きょうから条約交渉[8/5 NHK / 配信期限 8/12(火) 午後0:28迄]

• トランプ政権、国連プラ条約で生産量上限案の拒否を各国に要請 [8/7 Reuters]

【7】🤖 AI開発競争の内幕：データセンターは真に環境配慮型になれるか？ ―AI訓練とアプリ運用の電力需要増で化石燃料投資が急拡大 [8/7 Financial Times]

• AIの急成長により、世界中でデータセンター需要が急拡大し、安定した電源を確保するための化石燃料依存が広がっています。*米ペンシルベニアでは、閉鎖された石炭火力発電所を巨大なガス発電所へ転換し、AI向けに24時間稼働させる計画が進んでいます。 企業の中には再生可能エネルギー投資やグリーン電力証書を活用し、環境への配慮をアピールする動きも見られますが、実際の電力供給は依然として化石燃料に頼っています。 国際エネルギー機関は、今後5年以内にデータセンター由来の温室効果ガス排出量が倍増すると予測しています。真にグリーン化を実現するためには、再エネの時間・地域マッチングや蓄電技術の活用、大規模な需給調整の改革が不可欠です。

【8】⚡【データセンターが電力を"食い尽くす"】2034年までに2900テラワット？AIで急増する電力消費 [TBS CROSS DIG with Bloomberg]

• AIの普及でデータセンター需要が急増し、2034年までに世界の電力消費が2,900テラワット時に達する見込みです。* 世界最大の集積地である米バージニア州では、景観破壊や電力逼迫への懸念から、無制限な開発に反対する声が高まっています。 データセンターは社会の基盤でありながら、地域住民には"迷惑施設"とも映り、持続可能な開発の在り方が問われています。

【9】⚛️ 核融合関連の注目ニュース4本

• 📺 NEXTユニコーン「京都フュージョニアリング」完全版[7/27 Newsモーニングサテライト / テレ東BIZ]

• 📺 世界初の実用化へ　「未来のエネルギー」 出資呼びかけ [7/28 ワールドビジネスサテライト / テレ東BIZ]

• レーザー核融合、最先端は静岡・浜松にあった。異例の民間研究所、浜松ホトニクスらが"世界初"の実証[8/6 Business Insider Japan]

• 核融合関連新興のミレッソ、18.3億円調達　ベリリウム製造の工場建設 [8/8 日本経済新聞]

【10】☀️ 世界に広がるプラグインPV - 日本での普及に向けて[7/31 自然エネルギー財団]

• プラグインPVは、集合住宅や賃貸住宅の住民にも手軽に太陽光発電を可能にし、市民主体のエネルギー転換を促す技術です。* ドイツやオーストリアなど欧州では800W未満の小型設備を対象に制度緩和が進み、設置権の拡大や手続きの簡素化が実現。 一方、日本では小規模設備にも大規模設備と同等の規制が適用され、コンセント接続は不可。 普及には制度区分の新設、技術基準の見直し、集合住宅設計での標準化が必要です。

🌍ご案内：8月20日から22日に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議（TICAD9）に合わせて、グローバルな社会課題解決の支援を目指すメディア、with Planetは認定NPO法人「マラリア・ノーモア・ジャパン」と共催でアフリカと日本の未来について語るイベントを開催。 *過去2年近く毎日朝のwith PlanetのSNSアカウント（@withPlanet_asa ）で海外記事のキュレーションなどを行ってます。併せてぜひご覧いただけたら幸いです。

• 日時：2025年8月21日（木）18時30分～20時45分

• 場所：東京都中央区築地5-3-2　朝日新聞本社 読者ホール

• ファシリテーター： 竹下 由佳（with Planet編集長）/登壇者①：長島美紀氏（マラリア・ノーモア・ジャパン理事）/ 登壇者②：仲本千津氏（RICCI EVERYDAY代表） / 登壇者③：リリアナ・ダヨ氏（ケニア・キスム郡マラリア対策プログラムマネジャー）

🦟 気候変動で広がるマラリア　阻止へ科学者たちの奮闘 [8/7 The Economist]

• 南部アフリカでマラリアが急増し、ジンバブエでは昨年比で患者数4倍、死亡者6倍に。気候変動は蚊の繁殖環境を拡大し、季節を長期化させ、抵抗力の低い地域にも拡散する恐れがあります。2030〜49年に追加で55万人が死亡する可能性があり、その9割は洪水などの極端気象が原因と予測。各国は国境での迅速検査、雄蚊の不妊化、ワクチン接種などの対策を強化。極端気象に備えた医薬品・蚊帳の事前配備や、気候データを活用した予測モデル構築も急務です。感染抑制は健康改善だけでなく経済成長にも直結します。

• ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、XなどSNSで「いいね」や「シェア」をお願いします。みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです。

• *気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい週末をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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