選挙で問われるエネルギー政策の未来像

【👀🚨注目3トピック】
【1】データでみる衆院選公約 エネ政策、原発推進で隔たり - 電力の原発比率5.5%
【4】“AI加速”ニッポンの電源は?政権選択の争点“AI時代”のエネルギー政策
【5】気候変動対策を訴える団体、激戦州で期日前投票の呼びかけを強化
市川裕康 2024.10.26
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて730名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは1,040名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。

日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

【Climate Curation配信プラットフォーム】

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【🙋】いよいよ明日は衆院選投票日。気候変動・エネルギー政策はあまり話題になっていない印象ではあるものの、様々なメディアで各党の政策比較が紹介されています。大事な1票を投じる前にぜひ確認いただけたら幸いです🙂🗳️

image credit: WWF

image credit: WWF

【2】時論公論 衆院選の争点(3)エネルギー・電力をどうする [10/23 NHK Plus 配信期限 :10/30(水) 午後11:50 まで]

↓コンパクトに争点がまとめられています。

"米国の巨大テック企業が、急増するデータセンターとAI需要に対応するため、原子力発電所の活用を積極的に進めている。マイクロソフトはスリーマイル島原発の電力を20年契約で確保し、グーグルやアマゾンも次世代型小型原子炉(SMR)への投資を決定。一方、日本では脱炭素エネルギーの調達が限定的で、グーグルの調達率は関東でわずか16%にとどまる。このままでは日本は投資先としての魅力を失い、国際競争力の低下が懸念される。"

1時間の特番番組を通じてAI時代のエネルギー政策に関して議論がされてます。ゲスト:橘川武郎氏(国際大学学長)栗原聡氏(慶応大学教授)加谷珪一氏(経済評論家)

米国の選挙は目前に迫り、これまでのところ、気候問題は選挙戦を通じて主要な争点としては存在感を示してない一方、期日前投票データは、気候問題に投票する有権者が、特に重要な激戦州で、これまで考えられていたよりも大きな影響を与える可能性があると伝えられています。無党派の非営利団体、Environmental Voter Project (EVP) によると、5万人を超える初めての気候問題投票者(気候が最重要課題だと答えた人々)が期日前投票に参加し、ジョージア州を除くすべての激戦州で、彼らの投票率は他の有権者よりも高いと報告されています。

  • 環境団体EVPは激戦州で数十万人の潜在的な気候変動重視の有権者を特定。すでに13万人の新規有権者が投票済み

  • シニア層向け団体Third Actは、フィラデルフィアなどの重要地域で60歳以上の気候変動意識の高い有権者に戸別訪問を実施中

  • 2020年の選挙で1.1万票差だったアリゾナ州では、23万人の潜在的な気候変動重視の新規有権者を特定

*Environmental Voter Project (EVP) の創業者による『なぜ気候変動運動は投票しないのか? 』と題したTED トーク。とても示唆に富む内容。

"何百万人もの人々が気候変動について深く関心を持っていると言っているが、彼らはその懸念を政治力に変えるために選挙に足を運んでいない、と環境投票推進者のナサニエル・スティネット氏は言う。彼は、気候変動運動を前進させるために投票者の参加を増やすことがなぜ不可欠であるかを説明し、彼のチームが気候変動について一切語ることなく何百万人もの新しい環境投票者を動員している様子を示している。"

"地球温暖化による気候変動で熱中症などの命の危険にさらされているとして、10代から20代の若者たちが主な火力発電事業者に対し、二酸化炭素の排出量削減を求めた裁判が、24日、名古屋地方裁判所で始まりました。

事業者側はそれぞれ「原告らに将来の排出量削減を訴えることができる資格はない」などとして訴えを退けるよう求めました。"

Nikkei Asia において、気候訴訟がアジアを含む世界中で急増している背景が紹介されています。国内での今後の動向に注目です。

【7】新たな企業のグリーン目標:「ネイチャーポジティブ」 - 生物多様性の保護と改善に取り組む企業が増えている。しかし、一部の専門家はグリーンウォッシングの可能性を懸念している[10/21 Financial Times]

企業の関心は気候変動から生物多様性や「ネイチャーポジティブ」への取り組みにも広がりつつある、とするレポート。2022年のCOP15には約1000の企業が参加し、コロンビアでのCOP16でも記録的な参加が見込まれると言われています。一方で、気候変動と異なり、生物多様性への影響測定は複雑で課題が多い。世界中の企業が「ネイチャーポジティブ」目標を掲げる中、専門家はグリーンウォッシングの可能性と標準化された測定枠組みの必要性を指摘していると報じています。

企業のプレスリリースにおいて「ネイチャーポジティブ」という言葉が近年頻繁に使われるようになりつつあるそうです。

image credit: Financial Times

image credit: Financial Times

【8】ペロブスカイト結晶は太陽光発電の未来を象徴するかもしれない - 効率は従来のシリコンパネルをはるかに上回る [10/21 The Economist 🔏]

"太陽光発電技術は、ペロブスカイト型太陽電池の導入により革新的な進歩を遂げています。従来のシリコン太陽電池が効率22-24%(理論上限29%)であるのに対し、ペロブスカイトとシリコンのタンデム型では30%以上の効率が期待できます。Oxford PVが商業生産を開始し、韓国のHanwhaや中国のLONGi Green Energy Technologyも続いています。世界の太陽光発電容量が3年で倍増を続ける中での画期的な進展ですが、長期耐久性については今後の実証が必要です。"

【🙋】日本発の期待される技術として頻繁に国内メディアで報道されるものの、こうした記事においては日本企業の取り組みはあまり紹介されてない点がやや残念ですね。とはいえ、商業化が進むことを期待しています。

【9】安価な太陽光パネルが世界を変える - 「これは止められない」[The Atlantic]

【🙋】世界的に太陽光発電の導入がものすごいスピードで進んでいることが窺えます。

  • 太陽光発電容量は年間29%成長し、他のすべての電源を上回る新規電力を供給

  • 2033年までに太陽光が主要エネルギー源となる見込み

  • 中国が製造と設置の両面でリードし、2023年に容量を倍増

  • アフリカで急速な太陽光採用が進行中、その多くが未記録

  • コスト効率の良さが特に発展途上国での採用を促進

  • 小規模設備が世界の太陽光成長の40%を占める

【🙋】まだ簡単に購入できる金額ではまだないかもしれないものの、家電量販店で蓄電池と触れる機会が増えるのは分散型の再エネ普及の後押しになりそうですね。

"テスラは家庭用蓄電池「パワーウォール」をヤマダホールディングスの全国約1000店舗で販売開始する。容量13.5キロワット時と大きく、競合他社より容量当たりの価格が3割以上安い点が特徴。日本の住宅用太陽光発電設置は330万件に達する一方、蓄電池普及は遅れている。将来的には複数の家庭の蓄電池を束ねて制御する「仮想発電所(VPP)」の展開も視野に入れており、再生可能エネルギーの安定供給と新たな電力ビジネスの創出を目指している。"

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イベントアーカイブ動画

🔥📺【動画・資料公開】10月18日開催「気候変動アクション日本サミット2024」 [10/24 気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative; JCI)]

【🙋】先週参加したイベントのアーカイブ動画が既にアップされています。とても学びが多かったです🙂🌏

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イベントのご案内(運営をお手伝いさせていただいているイベントです。それぞれ名古屋と東京で開催予定で、現地に伺う予定です。ご参加の際にはぜひお声掛けいただけたら嬉しく思います🙂)

自然と共創する未来ビジネス ~ネイチャーポジティブを深ぼる~」と題したイベントを11月13日(水)に愛知県のSTATION Aiで開催。生物多様性条約COP15での「昆明・モントリオール生物多様性枠組」採択やTNFD開示枠組の発表を受け、企業の自然資本への取り組みが重要性を増す中、ネイチャーポジティブを活用したビジネス戦略と新サービス展開について深掘ります。先進企業・自治体の事例もご紹介。

開催日:2024年11月13日(水)18:15 - 20:00

開催場所:STATION Ai(愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目2−32)&オンライン

参加費:無料

詳細・お申し込み: https://peatix.com/event/4159617

今年のテーマは「持続可能な未来へ:産業横断的シナジーの創出」。グローバル展開を目指すスタートアップ、次世代の起業家、研究者から投資家まで、環境エネルギー分野の第一線で活躍する方々が一堂に会します。産業の枠を超えたイノベーション創出の機会に、ぜひご参加ください。

開催日:2024年12月3日(火)16:00~21:00 (15:30受付スタート、20:30受付終了)

開催場所:CIC Tokyo & オンライン

参加費:無料

詳細・お申し込み: https://leepsummit2024.peatix.com/

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたらSNSなどで「いいね」や「シェア」をお願いします 🙇‍♂️🙂[ハッシュタグ: #ClimateCuration ]  みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい週末をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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