🌏アースデイから考える持続可能な未来：🚲 パリの成功モデルと日本の課題

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先週の英語版ニュースレター「Japan Climate Curation vol. 149」の概要

• 日本の活動家たちは企業の気候変動情報開示に対して二段階戦略を採用し、大手企業に対して拘束力のある決議を目指しています。高い意識にもかかわらず、気候変動対策を実際に取っている日本の消費者はわずか33.6%に留まっています。JERAと三井は40億ドル規模の米国アンモニアプラントでエネルギー転換を推進する一方、日産はトランプの関税に対応するため生産調整を行いました。東京の太陽光パネル設置義務化政策は再生可能エネルギーの増加を目指していますが、慎重な実施が必要です。注目すべきは、日本の防衛政策が気候変動を安全保障上の懸念として正式に認識したことです。

*免責事項：要約、翻訳、編集の際にClaude Sonet 3.7 などの生成AIツールを使用しています🙂

*来週は海外出張のためお休みとさせていただきます。

【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】🌍 気候変動対策への日本人の意識低下が明らかに、32か国中最下位[4/18 イプソス]

• イプソス株式会社が発表した「人類と気候変動レポート 2025」によると、日本人の気候変動対策への意識が著しく低下している。気候変動に対する個人の行動が必要と感じる日本人は40%で、2021年から19%減少し32か国中最下位となった。また、政府や企業の気候変動対策への期待も32か国中最低だった。一方で、日本での気候変動の影響を懸念する割合は81%で、2022年から12%増加している。イプソス代表の内田俊一氏は、この結果が日本社会の気候変動問題に対する認識の低さを示していると指摘し、アースデイを機に行動を起こす重要性を訴えている。

【2】🚲 パリの大胆な自転車優先政策により大気汚染が50%減少 [4/16 FastCompany]

• パリは過去10年間で急進的な交通改革を遂げた。アンヌ・イダルゴ市長の下、100以上の道路が車両通行禁止となり、数万台分の駐車場が撤去され、数百キロの自転車レーンが新設された。その結果、2005年比で微小粒子状物質(PM2.5)が55%、二酸化窒素が50%減少するなど、大気汚染が大幅に改善された。イダルゴ市長は2014年の就任以来、870マイル（約1,400km）の自転車レーンを整備し、セーヌ川沿いの道路を歩行者専用に変えるなど、自動車中心から人間中心の都市へと転換を図ってきた。この「15分都市」構想は、住民が徒歩や自転車で15分以内に必要な場所に行ける都市設計を目指している。

【3】📺 「ウェザーニュースLiVE」にて、気候変動番組『100年天気予報』を開始 [4/14 ウェザーニュース]

• ウェザーニューズは4月18日より、YouTubeチャンネル「ウェザーニュースLiVE」で毎週金曜日に気候変動番組『100年天気予報』を開始しました。137万人の登録者を持つ24時間生放送番組内で、最新データとシミュレーションを用いて、気候変動が私たちの暮らしにどう影響するかを科学的視点から解説。100年後の未来を見据え、環境変化に対応するための議題を視聴者と共に考える30分番組と伝えられています。

【4】🏦 銀行の気候変動対策連盟、1.5°C目標への融資適合義務を撤廃 [4/16 ESG Today]

• 国連が支援するNet-Zero Banking Alliance（NZBA）は、融資活動を1.5°C目標に合わせる義務的要件を廃止するフレームワーク変更を発表した。この変更は、主に米国を中心とする政治的圧力により、米国・カナダの主要銀行などが脱退した後に行われた。現在、NZBAは128銀行、47兆ドルの資産を代表している。新ガイドラインでは義務的要件が「推奨」に緩和され、「実体経済の脱炭素化のための資金調達機会の開放」に焦点を当てている。

【5】📈 東証プライム7企業に対して気候変動対策に関する株主提案 [4/15 Asia Shareholder Action]

• 国内外の環境NGOと個人株主が、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンク、三菱商事、三井物産、住友商事の3商社、そして中部電力の計7社に気候変動対策強化を求める株主提案を提出した。当初は法的拘束力のない勧告的決議案を提案したが、全社が拒否したため、法的拘束力のある定款変更議案を提出することとなった。提案者側は企業のガバナンス向上を目指し、取締役会の監視機能と情報開示の強化を求めている。日本では過去にも気候変動関連株主提案が25%以上の賛同を得た事例があり、山林火災など気候変動の影響が顕在化するなか、企業の対応に失望を示している。

*🗣️ 日本の環境活動家たち、新たな戦略を展開 [4/14 Financial Times]

• 今回の気候変動株主提案を受け、Financial Timesでは、日本企業の対応が従来の主張と矛盾していると分析しています。日本企業は以前、定款変更の法的拘束力を理由に気候関連株主提案に消極的だったが、今回は法的拘束力のない勧告的決議案も拒否したと伝えられています。FTは国際比較も提示し、米国では約600件のESG提案が平均19%の支持を得る一方、欧州では件数は少ないが約80%の高支持率であり、日本企業の姿勢が特異であると指摘しています。環境NGO側は今回の拒否を「当初からの戦略の一部」として、6月の株主総会でより多くの支持獲得を目指していると語っています。

【6】🚢 船舶の排出規制､1隻年100万ドル負担も　国連機関が承認 [4/17 日経GX]

• 国連の国際海事機関（IMO）が「IMOネットゼロ枠組み」を承認し、大型船舶の温暖化ガス排出に応じた負担金制度を導入する。2030年には重油船1隻あたり年間約100万ドルの負担が生じる可能性がある。この制度では、GHG強度について「規制値」と「基準値」の2段階を設け、環境負荷の少ない代替燃料への転換を促進する。徴収した負担金は「ネットゼロ基金」でゼロエミッション船への報奨金や途上国支援に活用される。制度は2027年に発効、2028年から運用開始予定だが、燃料ごとのGHG強度の詳細や各国の足並みなど課題も残る。

【7】♨️ 地熱発電 次世代技術の開発促進へ官民協議会設置 経済産業省 [4/14 NHK]

• 経済産業省は地熱発電の普及を促進するため、官民協議会を設置し、次世代技術の開発支援を開始しました。日本の発電量における地熱発電の割合は2023年度で0.3%にとどまっていますが、2月に閣議決定されたエネルギー基本計画では2040年度に1〜2%への引き上げを目指しています。次世代技術には「クローズドループ」や「超臨界地熱」があり、高い技術力と開発コストが課題とされています。協議会は2030年代早期の実用化を目指し、今年中に新たな戦略を取りまとめる方針です。

*地熱発電は米国のエネルギー需要に対する新たなゼロカーボンの解決策となるのか？[4/17 Financial Times]

• トランプ政権の「Drill, Baby Drill（掘って掘って掘りまくれ）」政策の中で、地熱エネルギーが意外な注目を集めている。新技術により、石油・ガス産業の掘削技術を活用して人工貯留層から発電できるようになった。GoogleやMetaなどのテック企業は、データセンター向けのクリーンエネルギーとして地熱に投資している。国際エネルギー機関によると、地熱は現在、世界のエネルギー需要の1%未満だが、2050年までに15%まで拡大する可能性がある。しかし、コスト面での課題は残り、商業規模での実証はまだ進行中である。掘削コストの低減と技術改良により、2030年頃には商業的な離陸が可能とされている。

【8】🏛️ トランプ政権、環境団体に対するアースデーの措置を検討 [4/18 Bloomberg Green]

• トランプ政権は環境保護団体から免税資格を剥奪する大統領令を準備しており、アースデーに合わせた発表が検討されている。この動きは、トランプの国内石油・ガス・石炭増産政策に反対する団体を標的としている。また、この取り組みは環境団体だけでなく、政権の方針に反対する他の非営利団体にも拡大する可能性がある。法的な異議申し立てが予想されるが、実現すれば環境保護活動や気候変動対策に大きな打撃となる恐れがある。

【9】💰 米国の気候変動関連慈善団体、税免除資格喪失でトランプ政権の打撃を懸念 [4/18 Financial Times]

• トランプ政権下で気候変動に焦点を当てる米国の慈善団体や非営利団体が、税免除資格を失う可能性に直面している。アース・デー前夜に行政命令が準備されているとの懸念が高まっており、これは1月に署名された「環境正義」プログラムを標的にした命令の論理的な次のステップとなる。複数の財団やNPOのスタッフは、海外支出や気候・人種正義に焦点を当てたプロジェクトの税免除が終了すると予想している。ロックフェラー財団、ゲイツ財団、フォード財団、ベゾス・アース・ファンドなど多くの団体が影響を受ける可能性がある。一部の団体はすでにウェブサイトの表現を変更し始め、気候変動の取り組みを食料安全保障や公衆衛生、経済成長との関連で表現するよう努めている。

【10】📚【新刊書籍】GX グリーントランスフォーメーション 経営大全　150兆円市場の道しるべ [4/18 日経GX]

• 日本経済新聞がオンラインで配信している専門メディア「日経GX」に過去掲載された記事をまとめて追加編集がされている書籍とのことですが、体系的にGX（グリーントランスフォーメーション）のことを学ぶのに辞書的にとても参考になりそうです。

【編集後記】今回はアースデーを機会にということで「人類と気候変動レポート 2025」が公開されたり、先週ご案内した2024年度JFEJシンポジウム 〜日本環境ジャーナリストの会・Media is Hope 緊急シンポジウム〜「危機に立つ気候変動対策」が本日開催されたり、そして4/19&20には東京の代々木公園では「アースデイ東京2025」も開催されてます。アメリカのサンフランシスコではサンフランシスコ・クライメートウィークとして、4/19-27の1週間で約350ものイベントが行わるとのことです。過ごしやすい春の季節とともに、前向きな刺激を得る機会になりそうですね。一方で、アース・デー前夜には米トランプ政権下で気候変動に焦点を当てる米国の慈善団体や非営利団体が、税免除資格を失う可能性に直面しているとの報道もあり、とても心配です。

今回すごい、と思ったのは冒頭でご紹介したパリで「自転車推し」の都市政策の力強い成功事例です。連休も近いですし、自然の中で少しゆっくり充電し、暑い夏に向けて備えたいですね。来週のニュースレターは海外出張のためお休みいたします。皆様よい週末を！

• ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、XなどSNSで「いいね」や「シェア」をお願いします。みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです。

• *気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい週末をお過ごしください🙂🙋🌸

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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