『Gen T(Transition[移行])』世代に求められる未来予測
【3 】気候テック、伸び盛り5分野 グリーン水素やCO2回収
【4 】CO2除去、2年で市場36倍 地中貯蔵など米新興が拡大
【5 】レポート「日本政府の気候・エネルギー予算とGX投資の現状」公表
【8】2024 Trend Reports - エネルギーと気候 [3/11 Future Today Institute]
こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて590名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたこちらのLinkedinニュースレターでは980名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。
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I thank over 970 subscribers who signed up for this LinkedIn newsletter, which launched in the fall of 2023. Many of you are from non-Japanese-speaking countries, but I would be happy if you could use DeepL or Google Translate to skim the newsletter. You can subscribe to the English version of my sister newsletter, Japan Climate Curation. Thank you!
【Climate Curation配信プラットフォーム】
【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】日産自動車とホンダ、EVや車載ソフトでの提携検討を発表 [3/15 日本経済新聞]
ホンダ発祥の地である浜松市に暮らしている者として、驚きの提携検討発表でした。週の初めには日産とならびホンダも中国での販売台数と生産能力低下の報道を目にしていただけに、EVシフト、ソフトウェア開発等でシナジーが見込める2社での提携検討がされたのでは、と感じます。
*日産、中国の生産能力3割減へ BYDなど現地勢が台頭 [3/12 日本経済新聞]
【2 】中国でゾンビ自動車工場が増加、購入者はEVを選択 - 内燃機関の生産に特化した工場が、外資系グループの市場シェア低下で淘汰されつつある。[3/14 Financial Times]
FTの記事によると、2023年の中国の内燃エンジン車の生産台数は1770万台で、2017年のピークから37%減少したとのことです。また、アナリストのコメントとして、今後10年間に何百もの自動車工場が需要の低下により「ゾンビ工場」になるとの予測が紹介されています。
*Global BEV Market Share: Tesla Retains its #1 Spot for 2023 [2/29 Visual Capitalist]
最近はハイブリッド車の優位性を指摘する報道が数多く見られるものの、やはりEVシフトの動向も引き続き注目することが必要と感じます。以下はEVの市場シェアトップ65%を占める10社の存在感を図にまとめたものです。
Visual Capitalist
【3 】気候テック、伸び盛り5分野 グリーン水素やCO2回収 [3/15 CB Insights/日本経済新聞]
"気候テックのスタートアップの2023年のエクイティ(株式)による資金調達額は前年比39%減の410億ドル(約6兆円)となったが、アーリーステージ(初期)企業による調達が増えたため、調達件数は同4%増え2700件を超えた。23年のアーリーステージ企業の調達件数は全体の69%で、前年の55%から増えた。"
CB Insights / 日本経済新聞
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グリーン水素開発企業
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大気から二酸化炭素(CO2)を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)
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マイクログリッド(小規模電力網)/オフグリッド(電力自給)事業者
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電気自動車(EV)充電ソフトウエア
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農業インテリジェンス
【4 】CO2除去、2年で市場36倍 地中貯蔵など米新興が拡大 [3/16 日本経済新聞]
上記CB Insightsのレポートでも2番目に注目されている「CO2除去」、或いは炭素除去(CDR = Carbon Dioxide Removal)について更に詳しい記事も掲載されていたことに驚きました。記事の中でも触れられているサイト「CDR.fyi」は私も折に触れて参照しますが、CO2削減クレジットの量、価格、購入企業などの情報をリアルタイムで確認することが出来るオススメサイトです。
"大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を減らす新技術の開発や導入が加速してきた。米国などで大気や海水から回収して貯留する「CO2除去」を手がけるスタートアップ企業の設立が相次ぎ、担い手となっている。世界のCO2除去業界の市場規模は2023年までの2年間で36倍に急増し、さらに拡大する可能性が高まっている。"
【5 】レポート「日本政府の気候・エネルギー予算とGX投資の現状」公表 [3/13 Climate Integrate]
日本政府の2024年度の気候・エネルギー予算の全体像と、日本政府による2022-2024年度の GX投資について、データやグラフを活用し、分かりやすくまとめられています。要旨として以下のようなことが指摘されています。
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2024年度の政府予算113兆円中、気候・エネルギー予算は1兆7534億円で全体の1.6%にとどまり、そのうち34.4%がGX推進対策費に割り当てられている。
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経済産業省が予算の大部分を占め、省エネ、化石燃料、分野横断が予算の6割を占める一方で、再エネ予算は1割未満である。
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GX推進対策費は前年比で大幅に減少し、特にくらし、自動車、半導体分野の予算が大きく削減された。蓄電池関連予算がGX推進対策費の3分の1以上を占めているが、化石燃料への予算は引き続き大きく、GXへの投資は予定された額に達していない。
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政府投資の配分には再エネへの予算が極端に少なく、大きな偏りがある。
credit : Climate Integrate
【 6】中国は気候変動の聖人か悪人か? - 石炭を大量に燃やしながらグリーン転換を加速させる中国 [3/12 The Economist 🎁無料ギフトURL]
中国が気候変動政策においてグリーンテクノロジーの世界的なリーダーとしての役割と、世界最大の温室効果ガス排出国としての地位との間で、バランスを取っている様子が詳しく描かれています。
【7 】2023年、放送テレビ局は気候変動をどう報道したか [Media Matters for America]
リベラル系の米非営利団体Media Matters for Americaの調査によると、米主要放送ネットワーク(ABC/CBS / NBC / Fox)の気候変動報道は過去2年間で25%減少し、報道全体の1%未満と注目度が低下しているとのことです。異常気象の報道は6月から9月にかけて最も多く、7月がピークなど、様々な切り口で調査が行われています。
Media Matter for America
【8】2024 Trend Reports - エネルギーと気候 [3/11 Future Today Institute]
米テキサス州オースティンで開催されているサウスバイサウスウェストから気になったトピックはこちら。未来予測の専門家であるAmy Webbさんによるプレゼンテーションと大量に公開された未来トレンドレポートの中の「エネルギー・気候」スライドです。
プレゼンテーションでは不確実性が高まっている今、私たちは『"Gen T" (ジェネレーションTransition(移行)』であり、今まで以上に未来予測をすることの重要性が高まっていて、組織内に「移行部門(Department of Transition)」を設置して未来予測が必要だ、と訴えています。毎年恒例のFtureu Trend レポートは無料で公開されていて、AI、Web3、メタバース、ニュース、ヘルスケア、宇宙、そして「エネルギー・気候」など、16項目ごとにダウンロードが可能です。
「エネルギー・気候」編のスライドでは上記で触れたDAC、太陽光、風力、核融合、モビリティ等、様々なデータが計80ページ分、びっしりまとめられています。ぜひご所属組織内の「移行部門(Department of Transition)」で読み込んでみてはいかがでしょうか。*企業の方向けに概要を共有させていただくことも可能です。どうぞお気軽にご連絡ください。
【9】トヨタからリクルートまで導入「謎のESGベンチャー」の正体【出演:杉本淳さん】[3/14 経済番組 グリーンビジネス / NewsPicks]
今回のゲストは企業価値を向上するESG情報開示支援クラウドSmartESGを提供するシェルパ・アンド・カンパニーの杉本淳CEO。企業のサステナビリティ担当の方にとってはとても価値ある内容と感じました。"サステナビリティ部門の方のサステナビリティ問題"という表現がずっしりと重く響きます。
【10】3/25 開催 GXスタートアップガイダンス公表イベント ~GX分野における新たな成長モデルの創出に向けて~ [経済産業省 / 環境エネルギーイノベーションコミュニティ]
GX分野特有のリスクや対応策、好事例について、経済産業省が取りまとめるガイダンスの公表に際し、ガイダンスの紹介等が語られるとのことです。気候テック分野での起業している人、検討している人、支援している組織の方にとっては魅力的な機会なのでは、と思いご紹介です:)。
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
🌏Climate Curation 情報源 [気候変動・脱炭素・気候テック (climate tech ) 関連情報]:https://bit.ly/ClimateCuration_Info [ストック系情報 : 掲載数109]
🌏Climate Tech List ⚡ :https://twitter.com/i/lists/1611344400122253312
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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