垂直太陽光ソーラーフェンス / 世界のCO2排出、80%が57の化石燃料・セメント生産者に起因

【1】トップフォトジャーナリストのレンズを通した気候変動の見え方
【3】世界的な供給過剰がソーラーパネルを庭のフェンスに変える
【6】世界のCO2排出、80%が57の化石燃料・セメント生産者に起因=報告書
【7】ESG投資、二度と回復しないかもしれない理由
市川裕康 2024.04.06
誰でも

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】トップフォトジャーナリストのレンズを通した気候変動の見え方〜「2024年世界報道写真コンテスト」は、火災から干ばつ、暴風雨、抗議活動まで、地球温暖化がもたらす最も劇的なイメージを紹介しています。[4/4 Bloomberg Green *無料Gift URL🎁]

普段生活していても意識する機会が比較的少ない気候変動問題ですが、写真や映像を通じ、いろいろな考える機会を提供してくれます。

国内で1000店舗以上を展開する業務スーパーの創業者、沼田昭二さんによる地熱発電所完成までの動きがまとめられています。動画でもご覧いただけます

中国製品の急増により太陽光パネルが非常に手頃な価格となり、オランダとドイツでは屋根に設置するより発電量は少ないものの、庭のフェンスに太陽光パネルを使う動きがあるとフィナンシャル・タイムズが報じています。

image credit: Financial Times

image credit: Financial Times

東京大学発ベンチャー企業のYanekara(ヤネカラ、千葉県柏市)が3月29日に垂直設置型の太陽光発電システム「ソーラーフェンス」の販売を開始したとも報じられています。屋根形状の問題などにより太陽光発電の設置が難しかった事業所などにも導入できると紹介されています。

先日ご紹介したBS朝日の番組の対談部分の箇所がダイジェストとしてYouTubeで公開されています。気候変動対策の現状、課題など理解する上で参考になる情報や視点が多く含まれています。

英非営利シンクタンクのインフルエンスマップが4/4に公表した報告書[The Carbon Majors Database: Launch Report]によると、2016年以降の世界の二酸化炭素(CO2)排出の80%が化石燃料およびセメントを生産する57の国や企業に起因するとのことです。

image credit : InfluenceMap

image credit : InfluenceMap

排出量世界トップ3は、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ、ロシア国営エネルギー大手ガスプロム、インド国営石炭生産会社コールインディアとのことです。

*Daily Chart: top 10 companies responsible for 40% of historic emissions - Just ten single entities including oil majors Shell and ExxonMobil are responsible for 40% of historic fossil fuel emissions, finds new analysis. [4/4 Energy Monitor]

image credit : Energy Monitor

image credit : Energy Monitor

ESG という言葉を使う時に意識しておきたい認識であると感じます。

"ESGブランドは、おそらく最盛期を過ぎた。ESGは全産業に広がる金融革命ではなく、単なる投資ブームだった恐れがある。 サステナブル投資が消えるわけではない。"

image credit : wall street journal

image credit : wall street journal

アンモニア火力発電には原料となる水素製造コストや輸送コストが問題として指摘されています。再エネ電力のコストを大幅に下げる必要、海外からの水素やアンモニアの依存を続けるとエネルギー自給率向上には寄与しないという課題も存在します。記事の中では「ゼロエミッション火力を適切なコストで実現できるかどうかは未知数であり、この問題が解決しなければ、軌道修正が必要になる可能性があります。」と指摘されています。

気候変動による影響が悪化する中、Climeworks社がアイスランドで手掛けているダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)施設やオクシデンタル・ペトロリアム社によるテキサス州のより大きなDACプロジェクトは注目を集めつつある一方、コストの高さや既存事業の延命措置としての批判的な見方も依然存在します。とはいえ、ニューヨーク・タイムズの1面に大きく取り上げられるなど、投資家やカーボンクレジットの購入契約を結ぶ大手企業、米政府の手厚い支援策も相次ぐ中、注目が集まっている様子が伺えます。

【10】「1.5℃ロードマップ – 脱炭素でチャンスをつかむ。未来をつくる。」[IGES / 公益財団法人地球環境戦略研究機関]

全17ページのロードマップの内容についての紹介、そして識者による議論を伺うことが出来ます。

image credit : IGES / 公益財団法人地球環境戦略研究機関

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

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では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋

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