気候変動対策の秋:若者の声、気候テックの挑戦、海外と日本とでの温度感の違い

【👀🚨注目3トピック】
📺『気候変動とメディア 日本と海外の報道に違いは?』 週刊フジテレビ批評 / FODにてアーカイブ視聴可能になりました
【1】エネルギー基本計画改定へ若い世代から聞き取り原発めぐり意見 [9/26 NHK]
【6】クライメートウィークで街中の話題に - 気候関連業界がニューヨークに集結
市川裕康 2024.09.28
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて720名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは1,040名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。

日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

【Climate Curation配信プラットフォーム】

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【活動報告】先週9月21日5:30-6:00に関東圏において放映された「週刊フジテレビ批評」という番組に、『気候変動とメディア 日本と海外の報道に違いは?』というテーマで、Media is Hope の共同代表、名取由佳さんと一緒にゲスト出演させていただきました。対談部分がフジテレビの配信サービスFODで公開されています(配信終了予定日として「2024年10月1日 13時59分」と記載されてますが、過去のエピソードは全て公開されているようです。よかったらぜひ視聴いただけたら幸いです。)🙂 *TVerでも配信されています:)

テレビの番組を製作される際には過去素材を活用した映像素材の著作権の処理、編集作業等、本当に多くのプロセスを経て公開されるということを今回体験ほんの少しだけ体験する機会を頂きました。「気候変動報道とメディア」というテーマに関し、期待も込めて、今後も興味関心を持ち続けたいと思いました。

🌞先週末9/22(日)は渋谷で開催された「みんなでつくろう再エネの日」に参加してきました!裏方ボランティアスタッフとしてMedia is HopeさんのXアカウントで会場の様子を投稿していたのですが、ステージトークのお話、打ち上げでいろいろな方とお話することでとても刺激を得ることができた一日でした。スポーツ、行政、地域、ファッション、メディア、マーケティング、活動家、気象キャスター、技術者など、様々な立場の方々が取り組まれている様子に感動です。以下、AbemaTVの報道、Instagram、Xの投稿まとめ、特番アーカイブ等を通じて少しでも当日の様子をご覧いただければ幸いです🙂

【当日のX投稿のまとめ #再エネの日 】

【当日のInstagram投稿のまとめ #再エネの日 】

▶当日パブリックビューイングとして会場で視聴した再エネ特番『緊急報告!再エネ革命 - 『風車が導く奇跡の物語』(テレビ朝日:アーカイブ)

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

"国のエネルギー基本計画の改定に向けた審議会で、学生団体や環境団体など若い世代を対象にした聞き取りが行われ、焦点となっている原子力発電所をめぐって、将来的な廃止を求める声があった一方で、電力の安定供給には欠かせないといった声も聞かれました。"

報道ではとても短く紹介されているだけですが、経産省のYouTubeチャンネルで約2時間の議論の様子が全て公開され、以下のヒヤリング団体提出資料も全てPDFで公開されています。

エネルギー基本計画の議論の過程に若者の声が十分に届いてないのではないか、という声ががありましたが、今回は気候テックスタートアップ2社も参加し、とても意義のある議論が行われているように感じられました。1.5倍速視聴でもよいのでぜひ政府の現場の気候変動対策の温度感を知るうえでもご視聴をオススメします。今までの議論では時に眠くなる議論もあったのですが、今回はプレゼン、質疑、委員会の担当者のまとめのメッセージなど含め、少し前向きに感じられる内容と感じました。

【2】安くなった太陽光・風力・蓄電池を中心にしてこそ電力は安くなる!日本のエネルギー基本計画に建設的な声をあげよう 自然エネルギー財団 シニアマネージャー 高瀬香絵氏 [9/24 デジタルグリッド ブログ]

再生可能エネルギーの推進に関し、「日本は狭いから自然エネルギーはあまり入らない?」「自然エネルギーはお天気まかせだから頼れない?」「蓄電池や送電線整備コストが高くなるのか?」のような疑問・疑念を目にすることが多いと思います。豊富なグラフやデータを用いながら分かりやすく解説されています。傍観者になるのではなく、声をあげることの大切さも言及されてますが、とても共感しました。

最近目にする機会も増えた「ペロブスカイト型太陽電池」という言葉ですが、この記事を読む限り、中国で量産化に向けて投資のペースが上がっている様子です。日本発の技術ではあるものの、技術の基本的な部分について海外で特許を取得しておらず、量産では中国企業が先行するとのことです。

Netflixが9月18日に配信を始めた新作ドキュメンタリーシリーズ「What's Next?ビル・ゲイツと考える未来の展望」はAIと仕事の関係、ネット上の偽情報、グローバル・ヘルスなど5つのテーマについて40分程度の番組という構成ですが、3つ目のテーマとして気候変動が取り上げられています。全体的に世界的な課題に対してテクノロジーやイノベーションによる解決策を模索する様子が様々なスタートアップの紹介も含め描かれてます。と同時に、若い世代の気候活動家との率直な議論も合間に盛り込まれていて、テクノロジーによる過度な楽観論に対する疑念など、本質的な問いも投げかけられています。

"技術革新の推進は、温室効果ガスの排出量ゼロを達成するのに役立つのか? ビルは排出量が実質ゼロになる未来への道筋を示し、さらには環境活動家たちと有望な新技術について話し合う。"

「気候テック」という言葉自体は国内においては本当に目にする機会は少ないと感じるのですが、東京駅の近くに「気候テックに特化したイノベーション拠点」が10月1日にオープンするとのことです。ぜひいつか訪ねてみたいと思います🤞🙂。

先週もお伝えしましたが今週1週間はニューヨークにおいて「クライメートウィーク」(主催:Climate Group)が開催され、公式・非公式のイベントが600以上も開催されるという、日本での感覚からすると想像できないような一大イベントが実施されていました。以下のHeatmapニュースではいくつかのハイライトが紹介されています。

"クライメート・ウィークでは、気候変動対策への支持の高まりが強調され、州レベルの進展と連邦投資が紹介されました。新しいドキュメンタリーは、個人の映像を通じて気候災害の強力な描写を提供しています。炭素除去産業は、資金調達と需要の問題に苦戦しています。

第1回気候映画祭で、『The Here Now Project』のアメリカ・プレミアが上映されました。この75分のドキュメンタリーは、2021年に起きた様々な気候災害を捉えています。映像は全て、携帯電話で撮影された動画、ブログ投稿、ニュース映像のアーカイブで構成されています。作品は、2月にテキサス州を襲った寒波による電力危機(約250人が犠牲)から、夏にトルコのマルマラ海を覆った「海の鼻水」現象まで、幅広い気候関連の出来事を取り上げています。"

主催者のClimate GroupのYouTubeチャンネルでも多くのセッションのアーカイブが公開されています。

*ニューヨーク・タイムズなどのメディアもクライメートウィークにちなんだイベントを開催し、様子をYouTubeや記事を通じて報じています[9/25 New York Times]

気候変動フォーラムで世界のリーダーと科学者が温暖化する地球について議論 - ジェーン・グドール、アリ・ザイディ、ムハマド・ユヌスをはじめとする著名人たちが、急速に温暖化する地球がもたらす脅威について意見を交わし、難しい質問に答えました

【7】エネルギーに貪欲なハイテク企業グループ、米国主導の炭素クレジット制度に関心を示す - ジョン・ケリー率いるプログラム、ニューヨーク気候ウィークの主要テーマのひとつに [9/24 Financial Times🔏]

  • メタやネットフリックスなどの技術大手が、データセンターとAIによる排出量増加に直面し、米国主導のカーボンクレジット制度に関心を示す。

  • 元米国気候特使ジョン・ケリー氏は、企業はオフセットに頼るだけでなく、直接排出量を削減する必要があると警告。

  • エネルギー移行加速器は、カーボンクレジット販売を通じて、発展途上国における再生可能エネルギーへの移行を支援することを目指す。

"ブラジルのアマゾン森林再生の取り組みは、自主的炭素市場に革命をもたらし、同国を炭素排出マイナスにする可能性がある。課題は残るものの、炭素オフセットの需要増加とブラジルの独自の立場により、環境と経済の両面で魅力的な機会となっている。"

【9】「東京GXウィーク」がはじまります [9/20 経済産業省]

"経済産業省は、10月6日(日曜日)から10月15日(火曜日)にかけて、各分野をリードする世界の有識者、指導者が議論を行う「東京GXウィーク」を開催します。"

国連総会が開催されている時期にニューヨークで開催されるクライメートウィークに比べると地味な印象はあるものの、国内でもこのようなイベントが開催されるとのことです📣。日本でもいつの日か「Climaete Week」のような参加型のイベント開催されることを期待しています:)ロンドンでは2019年以来6月に「Climate Action Week」、サンフランシスコでは SF Climate Weekが4月に、オーストラリアではClimate Action Week Sydneyが開催されています。

【10】秋は気候変動対策イベント・特番・キャンペーン目白押し〜第7次エネルギー基本計画を巡る議論の本格化、11月上旬開催のCOP29開催に向けて

【🎟️イベント】

【📺テレビ番組】

"暑すぎる終わらない夏、民放NHK6局の人気キャスター集結!気候変動と“食”をテーマに語る環境SP!温暖化が進むと食べられなくなる幻食材!?“未来の食事”に驚き"

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたらSNSなどで「いいね」や「シェア」をお願いします 🙇‍♂️🙂[ハッシュタグ: #ClimateCuration ]  みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい週末をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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