【COP29前半戦終了】進展と対立が交錯する気候変動交渉

Cliamte Curation vol. 136📬 〜 COP29も早くも前半終了ですね。前向きな発信もあるものの、対立や懸念も多く報じられています。残り一週間でよい結果に繋がることを願ってます。気候テック(climate tech)というフレーズの終焉?という議論もあるそうです。
市川裕康 2024.11.16
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて730名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは1,050名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。

日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

【Climate Curation配信プラットフォーム】

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先週お伝えした通り、明日からアゼルバイジャンで開催されるCOP29に、日頃いろいろな連携をさせていただいている「Media is Hope」チームとして参加します。現地で起きていることを日本語でも伝えるサポートができたらと思っています。Media is HopeさんのXアカウント「@MediaisHope1」やハッシュタグ「#COP29J」、そして自分のアカウント「@SocialCompany」でCOP関連の発信を予定しています。よろしければこの機会に是非フォローしていただければ幸いです:)

*来週のニュースレターはお休みとさせていただきます。また、12/2に開催予定のメディア向けCOP29報告会に参加します。オンライン視聴はメディア以外の方でもご参加可能です。よろしければ是非ご視聴ください🙂

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】COP29開始〜前半戦終了:いよいよ気候変動対策に対する国際会議であるCOP29がアゼルバイジャンのバクーで11日からスタートしました。前半1週間を終え、以下のような進展が報じられています。

各国の排出削減目標の強化

  • 国連の管理下で公正な炭素取引の仕組みを確立

  • 途上国への資金支援にも活用

  • 途上国向け支援を60%増額

  • 2030年までに1200億ドルの規模に

一方でアルゼンチン代表団が交渉を離脱したり、フランスの気候変動担当相も交渉には戻らないと主張するなど、当初予想されていた米国大統領選挙結果を踏まえた悲観論に加え、政治的な緊張が会議に水を差しているようです。

来週後半戦は、途上国の低炭素経済への移行支援として1兆ドル規模の資金提供について話し合われる予定とのことです。

国内各種メディアでもCOP29関連特集記事が数多く掲載されてます。後半もじっくり推移を見守りたいと思います。

COP期間前後は「気候変動」についての報道やイベント、政府による政策の発表やレポートの発表などが相次ぎ、普段馴染みのない気候変動のリスクとチャンスについて知り、学び、日々の生活や仕事などを振り返る機会としても貴重な機会なのではないかと感じます。

例えばX(旧Twitter)上でどのような関連投稿がされているかを知ろうと思った際、「Yahoo!リアルタイム検索」というサービスを利用することで簡単に以下の様な傾向を調べることができます。「COP29」関連の投稿は急に増えてますが、「気候変動」という言葉を含む投稿はそこまでは増えてないようです。残り1週間を経てどのように推移するか注目したいと思います。残念な傾向としては感情の割合としてネガティブが7割〜9割を占めている点です。前向きに感じられるいいニュースや解決策が少しでも増えることを願ってます。またポジティブなニュースがあれば意識してシェアしていきたいですね。

image credit: Yahoo!リアルタイム検索

image credit: Yahoo!リアルタイム検索

国連の元指導者を含む上級専門家らは、国連のCOP気候会議が「もはや目的に適していない」として緊急の改革が必要だと宣言しました。COP29を主催するアゼルバイジャンのアリエフ大統領が天然ガスを「神からの贈り物」と称賛し、化石燃料生産を擁護したことで、この懸念は一層高まりました。アゼルバイジャンの当局者がCOPでの立場を利用して化石燃料取引の議論を行った可能性があるという報告に続き、現在の構造では必要なスピードと規模での変革を実現できないと批判されています。ただし、小島嶼国は改革により重要な気候討議から彼らの声が排除される可能性を懸念しています。

新しい報告書によると、アゼルバイジャンのバクーで開催中のCOP29に、1,773人の化石燃料産業のロビイストが参加を許可され、その数はほとんどの参加国の代表団を上回っていルトのことです。これは全参加者約7万人の1.5%を占めており、昨年ドバイでのCOP28での記録2,456人より減少しています。特に業界団体や各国代表団を通じたロビイストの存在は、気候変動交渉への産業界の影響力について懸念を引き起こしています。この状況は、アゼルバイジャンのエネルギー副大臣が気候会議で石油取引について話し合っている様子が録音されて明らかになった 論争の中で発生していると指摘されています。

*国ごとのCOp29参加者数(日本は9位)

image credit: Financial Times

image credit: Financial Times

テスラとBYDがEVシフトを牽引し、トヨタやVWなどの伝統メーカーが収益減少で苦境に。中国の急速なEV普及が世界のトレンドを変えつつあり、自動車産業は変革期に直面している。

image credit: 日本経済新聞

image credit: 日本経済新聞

【6】Are Global EV Sales Really Slowing Down? (世界のEV販売は本当に減速しているのか?)[11/1 Bloomberg NEF]

image credit: BloombergNEF

image credit: BloombergNEF

▶世界のEV販売台数は、成長率は鈍化しているものの、2023年の1,390万台から増加し、2024年には1,670万台に達する見込み

▶ドイツや日本など一部の市場では販売が減少している一方、中国は世界のプラグイン車販売の60%を占め、依然として市場を牽引

▶特に中国では、純粋な電気自動車(BEV)よりもプラグインハイブリッド車が成長を牽引

▶欧州の自動車メーカーは、2025年のCO2規制強化に合わせて、より手頃な価格のEVモデルを準備中

▶米国のEV市場は成長を続け、2024年には総販売台数の10%を超える見込みで、テスラへの競争も激化

気候変動の課題は続いているものの、再生可能エネルギーにおける急速な技術進歩とコスト低下を感じさせてくれる内容です。

  • 再生可能エネルギーのコストが年々低下、特に太陽光技術において顕著

  • 中国がクリーンエネルギー技術開発で主導的な立場に

  • 脱炭素化のコストは従来の予測より低い(GDP比1%未満)

  • 送電網インフラは再生可能エネルギー対応のため大幅な更新が必要

  • 発展途上国はクリーンエネルギーへの移行に財政支援が必要

  • 1.5°C目標は困難でも、2°C未満は依然として可能

image credit: The Economist

image credit: The Economist

トランプ氏の政権復帰の可能性により、気候技術企業は政治的な分極化を避けるためにブランド再構築を検討しています。業界専門家は「気候テック(Climate Tech)」という用語を避け、「エネルギー効率」「アメリカンダイナミズム」「重要インフラ」などのより中立的な用語を提案しています。この戦略的転換は単なる言葉の問題ではなく、特に政府の資金援助に依存する企業にとって生き残りをかけた問題となっています。

*Climate tech 投資家のスーザン・スーさんもこうした噂、論争に関して動画でメッセージを寄せていますが、気候変動対策に対するテクノロジーやイノベーションの必要性は変わらずとも、呼び方、ブランディングの配慮の必要性を感じる人はいそうです。もう少し推移を見守る必要がありそうです。

クリーンテック市場は急成長を遂げ、ニッチ市場から主要産業へと変貌。現在の原油市場に匹敵する規模となる見込み。中国の製造能力支配が世界貿易を形作る中、各国の政策変更が市場発展の鍵を握る。

  • クリーンテック市場は8年で3倍に成長、2035年までに2兆ドル規模へ

  • 中国が世界のクリーンテック製造の70%を支配

  • 6つの主要技術:太陽光発電、風力、EV、電解槽、電池、ヒートポンプ

  • 米国はIRAで進展も、政治変動で今後の展開は不透明

image credit: Cipher News

image credit: Cipher News

気候変動枠組条約COP29開催を終え、どこよりも早く、どこよりも多様な角度からのメディア向け報告会を開催。専門家や企業、若者やメディア関係者など様々なセクターからそれぞれの視点で報告するイベントが開催されます。*一部私も報告させていただきます🙂。

  • 12/2(月) 16:00-18:00 @ City Lab TOKYO

  • 定員:対面50名(メディア関係者のみ)&オンライン300名(どなたでも)

*イベントのご案内:*企画・運営をお手伝いしているイベントになります。私も現地で参加します。よろしければ是非ご参加ください🙂

持続可能なビジネスへの変革 〜サーキュラーエコノミーの可能性を探る〜

*番組お知らせ:日本での「気候テック」に焦点をあてた特番が放映されます。見逃し配信などで是非視聴してみたい思います。

  • NHK総合(1)都市のCO2を減らす新技術 2024年11月18日(月)午前0:55~1:44 ※17日(日)深夜

  • NHK総合(2)都市のリスクに備える新技術 2024年11月18日(月)午前1:44~2:33 ※17日(日)深夜

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたらSNSなどで「いいね」や「シェア」をお願いします 🙇‍♂️🙂[ハッシュタグ: #ClimateCuration ]  みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい週末をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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