気候変動が変える仕事の未来:8000万人分の雇用喪失と新たなグリーンスキルの台頭
【6】ニーズ高まる“脱炭素スキル” どんな技能?求人や習得法は?
【8】2024年上半期、気候テック投資額は113億ドル(約1.8兆円)の低調スタート
こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて640名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは1,010名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。
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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】気候危機、暑いだけではない8000万人分の仕事消失 [7/2 日本経済新聞🔐]
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気候変動により、雇用喪失、食糧不足、疾病の拡大が発生している状況がビジュアル化されたグラフで示されています。
【2】医療界も脱炭素を 温暖化による健康被害、学会が「非常事態宣言」[7/4 毎日新聞 🔐]
熱中症や気象災害などの増加が懸念されるとして、地域医療を担う総合診療医(家庭医)らの学会「日本プライマリ・ケア連合学会」が6月、医療関連分野の脱炭素化を進めるなどと宣言。医療関係の民間シンクタンク「日本医療政策機構」も提言を取りまとめたことも報じられています。
【3】Google、温暖化ガス排出5割増 データセンター拡大響く[7/3 日本経済新聞]
グーグルの23年の二酸化炭素換算の排出量は22年比13%増の1430万トンで、19年比で48%増加。生成AIに必要な計算資源の需要が急増のため。5月にマイクロソフトも2020年比で3割増。悩ましい課題。
【4】企業240社超が「2035年までに温室効果ガス75%削減」「再エネ比率60%以上」などを政府へ提言 [7/2 ハフポスト]
脱炭素社会の早期実現に取り組む企業244社が加盟する「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」が気候変動対策に関する提言を超党派の「カーボンニュートラル」議連に手渡したことが報じられています。
【主な提言内容】
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2035年までにGHG排出量75%以上削減(2013年度比)を求めます。
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2035年の電源構成における再エネ比率60%以上を求めます。
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エネルギー需要家の参画機会を増やす等、政策の「決め方」の改善を求めます。
具体的な提言内容はこちらのページから全18ページのドキュメントが閲覧可能です。気になったのは、大手企業がこれだけ参画・賛同している団体による提言にも関わらず、大手メディアでの報道がほぼないこと、そしてSNS上でもあまりこうした提言に関して言及がされてないことです。なぜなのでしょうか...
【5】岸田首相 “脱炭素電源への投資加速へ 支援策を強化” [7/2 NHK]
7月2日に開催された「GX20240リーダーズパネル」についての岸田総理コメントによると今後の重点項目は以下の3点と述べられています。
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電力投資の加速
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投資リスクへの対応(アジアともにゼロエミッション火力の加速を促進)
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日本が優位性を持つ技術実装の加速(ペロブスカイトなど)
GX20240リーダーズパネルにおける有識者からのプレゼンテーション資料は内閣官房/GX実行会議のページから閲覧が可能です。
【6】ニーズ高まる“脱炭素スキル” どんな技能?求人や習得法は?[6/28 NHK]
NHKおはよう日本において7月3日(水)に約8分に渡って「脱炭素スキル」について特集されました。[NHK Plusによる見逃し配信 7/10 7:45AMまで]。ウェブ記事でも詳しく描かれてますが現状「CO2排出量可視化スキル」が求められているスキルとしてスポットライトが当たっている印象です。
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「脱炭素スキル」の需要が急増し、今後10年間で日本国内で270万人の新規人材が必要と推定されている。
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主要なスキルには、CO2排出量の可視化、規制分析、環境配慮型製品開発、投資家への持続可能性の説明などが含まれる。
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企業は新たなビジネスチャンスの創出と、高まる市場・消費者の期待に応えるため、脱炭素の専門知識を持つ人材を積極的に採用している。
【7】〈中小企業のESG経営に関する実態調査~E(環境)~〉自社領域におけるCO2排出量を把握できている企業はわずか7.8% CO2削減量の把握及び管理ができている企業もわずか6.6 - 中小企業の環境に係る取り組みは進んでいない実態が明らかに [6/28 フォーバル GDXリサーチ研究所]
脱炭素スキルが求められているというNHKの番組を観た直後に目にしたこちらの調査結果。中小企業990社を対象に今春行われた調査によると、CO2排出量の把握ができている企業は7.8%と、まだまだ取り組みが浸透してない様子が伺えます。
image credit:フォーバル GDXリサーチ研究所
【8】2024年上半期、113億ドル(約1.8兆円)の低調なスタート - 投資額が2020年の水準に落ち込んだため、今期は低調なとなったが、好調なプレーもあった [7/5 Sightline Climate]
過去4年ほどに渡って気候テック業界のデータを丁寧にトラッキング・分析しているCTVC by Sightline Climateによる2024年上半期の状況をまとめたレポートが公開されました。
2024年上半期の気候テック分野への投資は冷え込み、資金調達額と取引件数が大幅に減少、アーリーステージの資金調達も影響を受けていると伝えられています。エネルギーや運輸・交通部門は堅調さを維持しているようです。
image credit: CTVC by Sightline Climate
image credit: CTVC by Sightline Climate
【9】BYD、タイにEV新工場 「自動車王」と日本車の牙城攻略 [7/4 日本経済新聞]
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BYDが790億円を投じて新設したタイ工場が東南アジアにおけるグローバル展開の重要な一歩として報じられています。政府のEV支援策と競争力のある価格設定により、BYDは急速にシェアを獲得し、長年日本ブランドが支配してきた自動車業界の構図を変える可能性があるとのことです。
image credit: 日本経済新聞
【10】科学はいかにして気候変動の陰謀と闘うか - 真相は誰のものか?ドキュメンタリー [7/1 BBCワールドサービス] *Chromeブラウザーなどで字幕自動翻訳機能を利用すると日本語字幕付で閲覧が可能です。
特に学校教育に従事している先生や関係者の方に観てほしい!と思った1本。「若者の72%は学校で気候変動についてもっと学びたいと回答する一方で、教師の70%は気候について教える訓練を受けてない」現状に問題意識を持ち、22歳で啓蒙プログラムを立ち上げたリーダーの取り組みが紹介されています。
ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。
*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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