インドでの猛暑 / カーボンクレジット市場健全性確保への動き / SusHi Tech Tokyoアーカイブ動画公開

🥵【1】インド首都の気象観測所で52.9度記録-異常な暑さで電力需要急増
🫧【4】米、カーボン・オフセット市場の健全性確保へ指針
🍣【6】SusHi Tech Tokyo 2024アーカイブ動画(日本語同時通訳付)公開
🔥【9】地熱発電が熱い
市川裕康 2024.06.01
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて630名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたLinkedinニュースレターでは990名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。

日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

【Climate Curation配信プラットフォーム】

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

インドの猛暑について、52.9度という数値は気象当局が観測所のセンサー確認後に修正される可能性があるとは言われているものの、映像を見る限り酷暑の様子が伝わってきます。

🌏【2】What’s behind recent extreme heat events and record high temperatures(最近の猛暑と記録的な高温の背後にあるもの)[5/31 PBS News Hour]

米公共放送であるPBSの報道を見ると猛暑の背景にあるものとして気候変動の影響があることが専門家の解説とともに伝えられています。また、猛暑はインドだけではなく世界的な現象であることも伝えられています。

昨年夏には「この暑さや水害は気象災害です。気候変動の原因と解決策を報道してください!」という署名キャンペーンもありましたが、国内報道と海外での報道の違いがあるということを改めて感じます。

📚【3】書籍『未来省(The Ministry for the Future)』 キム・スタンリー・ロビンスン [2023/9/19]

「2025年、インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す...」

冒頭、信じられないような描写から始まるのが2020年秋に出版され、欧米においては気候変動対策に取り組む人達の間で大きな話題になったSF小説、『未来省(原題:The Ministry for the Future)』のことを思い出します。邦訳版が昨年9月に発売されたのですが、内容が難解で長い、また欧米と国内においての「気候変動」に対する捉え方の違いからか、あまり国内では話題になってないようです。私も以前に洋書にチャレンジして途中で挫折したままになっていたこともあり、改めて先程邦訳書をKindle購入してみました。ブッククラブのような形で一緒に読んでみたい方いたらぜひお知らせいただけたら嬉しいです🙂📚。

以下出版社による『未来省』特設サイトより

"人類vs気候変動 闘いの30年未来記

2025年、インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す。

喫緊の課題である気候変動に取り組むため国連に組織された、通称「未来省」のトップに就任したメアリー・マーフィー。

つぎつぎと起こる地球温暖化の深刻な事態に対し、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策、政治交渉……ありとあらゆる技術、政策を総動員。人類の存亡をかけ果敢に立ち向かっていく。

〈火星三部作〉のキム・スタンリー・ロビンスンが描く、現代から2050年代までの気候危機をめぐる近未来SF小説。"

"米政府は28日、温暖化問題への取り組みの一つであるカーボン・オフセット自主取引市場の信頼向上に向けた指針を発表した。"

*Biden pushes to tame — and expand — carbon credit markets (バイデン政権、炭素クレジット市場の調整と拡大を推進) [5/28 Axios]

  • ホワイトハウスは、企業が再生可能エネルギープロジェクトや森林保護などへの資金提供を通じて排出量を削減するのに役立つカーボンクレジット市場の浄化と成長に向けた取り組みを開始しました。

  • バイデン政権は、真のCO2削減や地域社会への利益をもたらすことなどの課題に対処しながら、高い信頼性を持つ自主的カーボンクレジット市場(VCM)への責任ある参加のための原則を発表しました。

  • VCMは現在、年間約20億ドルと小規模ですが、2030年までに400億ドル、2050年までに2,500億ドルに達すると予測され、気候変動対策プロジェクトに多額の民間資本を投入する可能性を秘めています。

🌍 VCMの西部開拓時代に掟を敷く -ホワイトハウスの新たな発表が、自主的な炭素市場について誤解を解く [5/31 Climate Tech VC/CTVC]

  • 米大統領特別補佐官(経済政策担当)ジョシュ・ゾッファー(Josh Zoffer)氏へのインタビュー

"2026年度から本格的に運用が始まる二酸化炭素の排出量取引をめぐって、政府は参加を義務づける企業の基準など、制度の具体案を年内に取りまとめるため、検討を急ぐことにしています。"

🍣【6】SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program アーカイブ動画(日本語同時通訳付)公開

5月15日&16日に開催された「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program (東京都主催)」におけるメインステージでのセッションのアーカイブ動画(日本語同時通訳付)がYouTubeに公開されています。先日のニュースレターでも少しお伝えしましたが、気候テック(Climate Tech)をテーマに掲げるセッションも多数あり、グローバルな視点で議論がされていたことがとても印象的でした。ぜひご興味ある方は視聴してみてはいかがでしょうか:)

#DAC (直接大気回収)など、CO2排出量をマイナスにする「ネガティブエミッション」技術の重要性と同時に、必要となる排出量取引量制度のしくみ作りについての長尺解説。

"米国における電気自動車(EV)販売は年初から低調で、ブームが去ったと結論付けるのは容易に思えるかもしれない。1-3月(第1四半期)の販売台数は前年比ほぼ横ばいで、フォード・モーターは建設中のバッテリー工場での生産能力を大幅に縮小、テスラは世界で少なくとも10%の人員を削減する。ただこうした厳しい状況も、業界全体の一部を映しているに過ぎない。"

"EV減速が声高に語られているが、中長期的な見通しの多くは変わっていない。国際エネルギー機関(IEA)は4月、米国における完全EVの販売台数が2025年に250万台に急増すると予想した。23年は110万台だった。"

image credit: Bloomberg

image credit: Bloomberg

🔥【9】地熱発電が熱い

岩手県内で5番目の地熱発電所として、ことし3月に営業運転を始めた八幡平市の「安比地熱発電所」が、報道陣に公開。一般家庭およそ2.5万世帯分に相当する、およそ1.5万キロワットの発電が可能。

北海道の南茅部地熱発電所は国内の地熱発電所では初めて長時間稼働のできる耐久性の高いポンプが使われていて、出力は「バイナリー方式」と呼ばれる手法を用い、地熱発電では国内大規模の6500キロワット。バイナリー発電とは中低温度の地熱流体を利用して発電する効率的な方法であり、環境に優しい点が大きな特徴で、24時間発電できる再生可能エネルギーとして注目されています。

動物保護と気候変動問題に取り組む16歳の若者が世界中の学者などの専門家、活動家や政治家など、さまざまな人たちに出会い、現状を知って知識を深めながら解決のための道筋を探るという内容。今日から映画館で上映スタートとのことです🍿。

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普段リサーチをする中で気になった最近のデジタルツールの活用についてブログに書いてみました。よろしければ併せてご覧いただけたら幸いです:)

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、どうぞよい週末をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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