トランプ政権2期目の気候変動政策がもたらしうる脅威とは

【👀🚨注目3トピック】
【1】『トランプ氏の環境政策実績が示す2期目の展望』
【5】石破政権、再生エネで地方投資 年内に40年計画の素案
【5】書籍:『世界一クールな気候変動入門──情報を正しく判断するために』
市川裕康 2024.11.02
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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】『トランプ氏の環境政策実績が示す2期目の展望』〜トランプ氏とその支持者たちは、大気、水質、そして気候保護に関する規制を恒久的に撤廃することを目指す2期目を構想している[ 11/1 New York Times🔏]

  • トランプ政権は100以上の環境規制を撤廃し、産業界のロビイストを要職に任命

  • 二期目の計画には環境保護の恒久的な弱体化と化石燃料開発の拡大が含まれる

  • 政府科学者の役割を抑制・縮小する組織的な取り組み

  • 災害対応と気候関連支援の政治化

  • 二期目に向けた環境機関の根本的な再編計画

  • トランプは再選された場合、パリ協定からの撤退を計画

  • 世界のリーダーたちは米国抜きでの気候対策進展の戦略を準備

  • 一部の保守派がUNFCCC からの撤退を提唱

  • 中国が気候対策でより大きな指導的役割を担う可能性

  • 州レベルでの気候外交が米国の関与維持に貢献の可能性

  • 他国は米国の撤退に追随する可能性は低い

  • UNFCCC撤退の試みには法的異議が予想される

"スペン東部を中心に10月末に発生した集中豪雨で、1日までに200人以上の死亡が確認された。その多くは東部バレンシア州で確認されているが、死者数は今後さらに増えるとみられている。

地球の温暖化が洪水の深刻さを助長した可能性が高い。地球温暖化が異常気象に与える影響を調査する、国際的な科学者グループ「世界気象分析グループ」(WWA)は予備報告書の中で、スペインを襲った降雨量は気候変動によって12%増加し、その気象現象の激しさが倍加した可能性があるとしている。"

  • 2023年の極端な暑さにより、高齢者の熱関連死亡者数が1990年代比で2.67倍に増加

  • デング熱の感染リスクが過去10年間で46%増加し、2023年は過去最多の500万件以上の感染を記録

  • 化石燃料による二酸化炭素排出量が過去最大を記録し、この資金を気候変動対策へ転換すべきと提言

"ドラギレポートに関する日本での解釈、特に経済産業省の基本政策分科会での議論には重大な誤読が見られる。レポートは欧州の競争力強化に向けた提言であり、「過度な脱炭素化」を問題視しているわけではない。むしろ、高いエネルギーコストの原因は脱炭素化ではなく、市場構造の問題や天然資源の不足にあると指摘している。レポートは脱炭素化を競争力強化の機会として捉え、その加速を提言している。"

image credit: 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第64回会合)[資源エネルギー庁]

image credit: 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第64回会合)[資源エネルギー庁]

開催日時:2024年11月12日(火) / 17:00 - 18:00(JST) [申込フォーム]

"欧州委員会は9月、マリオ・ドラギ前イタリア首相による報告書「The Future of European Competitiveness(欧州の競争力の未来)」を発表しました。通称「ドラギレポート」と呼ばれる本報告書は、気候変動とエネルギーに焦点を当て、脱炭素化と競争力強化を両立させるための計画を提言しています。自然エネルギー拡大と送電網強化によって、化石燃料への依存度を減らし、イノベーションのギャップを埋めるための戦略を概説する内容です。

本ウェビナーでは、厳しい国際情勢の中、経済競争力を維持しながら脱炭素化を達成するためのEUの明確な道筋について、欧州委員会気候行動総局国際関係・気候資金局長 ディアナ・アコンシア氏にご講演いただきます。"

"石破新政権は初のGX実行会議を開催し、前政権のGX政策を継承しつつ、地域経済活性化に重点を置いた脱炭素戦略を展開する方針を示した。11月の経済対策には地熱発電などの再生可能エネルギー投資を含め、年内にエネルギー基本計画の素案を提示する。与党が過半数を割った状況下で、野党との協力が不可欠となり、再生可能エネルギーやカーボンプライシングなどの政策で合意形成を目指す。"

関連資料:GX実行会議(第13回)関連資料 [10/30] 動画 [政府広報オンライン]

『我が国のグリーントランスフォーメーションの加速に向けて』と題した資料を通じて、石破政権のGX政策、年内に素案提示が予定されている エネルギー基本政策 の方向性などを窺い知ることができそうです。地熱への言及、上記記載のドラギレポートについては、「欧州の高いエネルギーコストが欧州企業の成長の妨げになっている」点が指摘されています。

image credit: 内閣官房

image credit: 内閣官房

  • 気候テクノロジー企業の資金調達額が前年比50%減の見込みである一方、AI関連企業への投資は急増

  • 気候テクノロジーは資本集約的で技術リスクが高く、投資家にとってAIより魅力が低下

  • 気候変動対策への投資減速は、限られた時間内での気候変動抑制に深刻な影響を与える可能性がある

image credit: ブルームバーグ

image credit: ブルームバーグ

"MITの蒋業明(イェット・ミン・チェン)教授は、気候変動対策技術の研究を通じて10社のスタートアップを共同創業し、累計約3800億円の資金を調達してきた。特に注目される成果として、鉄空気電池を開発するForm Energyや、CO2を発生させない建築用セメントを開発するSublime Systemsがある。最近では電動航空機や地中水素などの新分野にも進出し、産業の根本的な変革を目指している。"

【8】【騙されないためには、そのトリックを知ること!】気候変動問題をきっかけに、誤情報、認知バイアス等の基本を学べる入門書『世界一クールな気候変動入門──情報を正しく判断するために』、10月29日発売。 〜日本の先生方の要望から日本語版出版が実現! デマ、無知、誤情報、思い込み、陰謀論、認知バイアス、不勉強、フェイクニュースから身を守り、わかりあえない誰かともよりよい議論をするために、必携の書。[10/29 河出書房新社 PRTimes プレスリリース]

image credit:『世界一クールな気候変動入門──情報を正しく判断するために』

image credit:『世界一クールな気候変動入門──情報を正しく判断するために』

■科学的知見や科学的コンセンサスを否定する“誤謬”のテクニック

本書では、デマ、無知、誤情報、思い込み、陰謀論、認知バイアス、不勉強、フェイクニュースのトリックで用いられる、チェリー・ピッキング、滑り坂論法、少数意見の誇張、人格否定、論理の飛躍など、わたしたちが陥りやすい“誤謬”のテクニックを、実例をもとに鮮やかにひもといていきます。これらのテクニックを読んでいくと、何人もの見知った人の顔が浮かぶはずです。

【🙋】こちらはふと目にしたリリースですが、著者は気候変動否定論や陰謀論に対して正しい情報をマンガを通じて分かりやすく解説している有名なサイト「Skeptical Science」を運営されている方(ジョージ・メイソン大学気候変動コミュニケーションの研究助教授ジョン・クック氏)。先程ジャケット買いをしてしまいました。また感想を後日共有させていただきますね。

image credit:「Skeptical Science」

image credit:「Skeptical Science」

【🙋】日本において気候変動コミュニケーションの分野で長年に渡って精力的に活躍され、最近はXでの投稿も含め、声を上げることの大切さを説いている江守正多さんとモデルの長谷川ミラさんを招いたトークイベントの概要がまとめられています。日本における気候変動への意識は高まりつつあるものの、具体的な行動への転換が課題であり、SNSを活用した情報発信や支持表明など、できることから始める重要性が指摘されています。

【🙋】「ネイチャーポジティブ」という言葉に接する機会が最近増えたと感じます。自分自身も初学者で勉強中のテーマですが備忘録にブログに書いてみました。11/13に名古屋に新しくオープンしたばかりのSTATION Aiにて開催予定の関連イベントも引き続き参加申込受付中です🙂

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたらSNSなどで「いいね」や「シェア」をお願いします 🙇‍♂️🙂[ハッシュタグ: #ClimateCuration ]  みなさんのネットワークの中で、気候変動に関する情報を必要としている方に届くきっかけになれば幸いです🙂。

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、よい連休をお過ごしください🙂🙋

市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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