エネルギー転換の羅針盤:政策・技術・リスクの展望 / 映画『2040 地球再生のビジョン』
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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】
【1】「地球温暖化対策計画」、「エネルギー基本計画」、「GX2040ビジョン」、パブリックコメントの期限を前に学び、考え、必要に応じて声をあげる機会
昨年末に素案がまとめられたそれぞれの政策案、全体像を理解するのには難易度も高いかもしれませんが、今後のビジネス、政策、暮らしにも大きな影響を与えることが予想される大きなトピック。幅広い視点から考える機会にできたらと思い、いくつか気になった記事をピックアップしてみました。
*温暖化ガス排出削減、「野心的」な目標阻むコスト問題 [1/15 日本経済新聞🔏]
*脱炭素が空文化、エネルギー基本計画は課題山積 - 再エネ低迷、原発と火力の継続が最大の特徴[1/17 東洋経済オンライン]
*「第7次エネルギー基本計画」原案が示す日本の必然的戦略転換 [1/17 フォーサイト🔏]
*日本の地球温暖化対策に皆さんの声を届けよう [1/17 WWFジャパン]
【2】グローバルリスク報告書2025年版: 紛争、環境、偽情報が最大の脅威に [1/15 世界経済フォーラム]
*These are the biggest risks we face now and in the next 10 years [1/15 World Economic Forum]
毎年恒例の世界経済フォーラムが取りまとめている「グローバルリスク報告書2025」が来週からダボス会議が開催されるタイミングで公開されました。2025年の最大の懸念は国家間の武力紛争で、短期的には誤報・偽情報の拡散が最も深刻な問題として指摘されています。環境関連のリスクは長期スパン(10年間)で見た際の最大の脅威となっていて、異常気象や生態系の崩壊が、市民社会、国際機関、アカデミック、政府、民間部門の全ての世界で上位のリスク要因として認識されているようです。
image credit: World Economic Forum
【3】グリーン覇権争いで先行する中国 - 再生可能エネルギー貿易において、欧米は慎重に北京との協力を模索すべきだ [1/12 Financial Times 🔏 / 🎁ギフト無料URL]
FTの社説。西側諸国はリスクを最小限に抑えながら、グリーンテクノロジーで北京と協力する戦略を見つける必要があると指摘されています。 中国のクリーンエネルギーへの年間投資額は2023年時点で前年比40%増の8,900億ドル(約140兆円)とのことです。
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中国は風力タービン、太陽光パネル、電気自動車、バッテリーなど、環境技術製造で主導的立場にある
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欧米諸国は、手頃な価格の環境技術へのアクセスと戦略的・安全保障上のリスク管理との間でジレンマに直面している
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世界の気候目標達成には中国との協力が必要だが、慎重な管理が求められる
【4】EVの次に来る対中敗北 水素にみる日本型産業政策の限界 - 風見鶏 [1/18 日本経済新聞]
日本の水素戦略は、新たな可能性への挑戦よりも、既存技術の延長線上での実用化と現実的な制約への対応を重視しているとして、「最大の力点を日本企業が既に商品化した燃料電池乗用車や家庭での利用拡大に置いた」こと、「水素調達は最初から自国生産でなく輸入を軸」にしたことなどが指摘されています。
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中国は水素技術分野で急速に主導権を確立し、世界の生産能力の過半を占めるまでに成長
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日本の調整型産業政策は、競争不足と既存知見への依存により、イノベーションが制約される傾向がある
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水素は脱炭素時代のエネルギー安全保障に直結する重要技術であり、早急な戦略の見直しが必要
【5】2025年を次世代太陽光元年とするために 時論公論 [1/10 NHK]
ペロブスカイト開発の現状、課題、展望が文字起こしの記事としてまとめられています。中国や欧州での量産の動きもある中でペロブスカイト型太陽光発電、期待したいですね。
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ペロブスカイト型太陽光発電は、薄型・軽量・柔軟性という特徴を持ち、従来型では不可能な場所への設置が可能
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政府は2040年に600万世帯分の導入目標を設定し、官民で実用化・普及を推進
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耐久性やコスト面での課題克服と、過去の教訓を活かした戦略的な産業育成が必要
image credit: NHK
【6】🌎🔮 2025年の気候テクノロジー予測&2024年の予測の採点結果 [1/17 CTVC by Sightline Climate]
CTVC[Climate Tech VC]の2025年Climate Tech予測は、300以上の回答に基づき、グリーンテクノロジー分野の主要トレンドがまとめられています。2024年は投資が14%減少したものの、エネルギー分野への投資が初めて運輸部門を上回り、最大の投資分野となったことが指摘されています。原子力と地熱分野が大きな成長を示す一方、バッテリーと鉄鋼への投資は急減。2025年に向けては、インフラファンドがより大きな役割を果たすと予想され、送電網の近代化、AI駆動のエネルギー需要、地域別投資の変化に注目が集まっているとのことです。
【2025年に躍進が期待されているセクター】
原子力、地熱、送電網・系統(グリッド)関連、長時間エネルギー貯蔵(LDES)、カーボン・キャプチャー(炭素回収)などの分野が上位にランク入りしています。
image credit: CTVC by Sightline Climate
【7】温暖化を逆転させ、希望に満ちた持続可能な社会の構想を示す――映画『2040 地球再生のビジョン』[1/8 サステナブルブランド・ジャパン]
オーストラリアで2019年に公開された映画『2040 地球再生のビジョン』が日本で1月11日から公開。配給会社の方に視聴の機会をいただき、先日観ることができました。この映画は監督が4歳の娘の未来のために気候変動問題の現実的な解決策を探る映画で、構成もビジュアルも惹きつけられる内容で、未来を想像しながら解決策のヒントを得られる、とても素敵な作品でした。
現存する技術やシステムを基に、2040年の持続可能な社会を世界を旅しながら、また未来の予想図のシーンも盛り込みながら想像力を掻き立てられるストーリーが次々紹介されます。バングラデシュの太陽光発電ネットワーク、自動運転車のシェアリング、リジェネラティブ農業など、具体的な事例を紹介しながら、監督自身の率直な反応や思いを交えて、希望に満ちた未来像が提示されます。
全国の映画館で順次上映が予定されています。公式サイト→ https://unitedpeople.jp/2040/
【イベントのご案内】
2月4日〜6日に愛知県名古屋市で開催される大規模テックイベント「TechGALA」のことを知人から紹介いただいたのでご案内です。
🌏TechGALA [ https://techgala.jp/ ]とは
モビリティ、マテリアル、宇宙産業、ライフサイエンスなど、各分野の最前線で活躍するプロフェッショナルが愛知・名古屋に集結し、環境・エネルギー分野においても、革新的な技術や知見が共有されるとのことです。
私もコミュニティサポーターということで現地に参加予定です。ご興味ある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?ご招待・割引コードもいただいているのでご興味ある方はお気軽にご連絡ください。
世界から5000名以上が集う、 地球の未来を拓くテクノロジーの祭典「TechGALA」
2025年 2月4日(火)〜6日(木) 愛知・名古屋で開催
▼イベントの特徴
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国内外のトップリーダーによる多彩なセッション
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グローバルなネットワーキングの機会
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最先端技術の体験展示
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スタートアップピッチコンテスト
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ハッカソンやサイドイベント
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*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。
では、では、よい2025年を、良い連休をお過ごしください🙂🙋
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org
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