クライメート・キュレーション第100号🎉 / CO2排出量の測定・開示の行方 / Timeが選ぶ米GreenTech 250社

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市川裕康 2024.03.09
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて590名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたこちらのLinkedinニュースレターでは980名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

🎉皆様のお陰で今回で創刊から100号目の配信となります🎉。いつもお読み頂き、本当にありがとうございます。今後さらに内容を充実させ、皆様にとってより価値あるものにし、読むことで時間の節約にも繋がるよう、簡単なアンケートを実施させていただきます。ご協力頂けたら嬉しく思います。引き続きよろしくお願いします。

  • I thank over 980 subscribers who signed up for this LinkedIn newsletter, which launched in the fall of 2023. Many of you are from non-Japanese-speaking countries, but I would be happy if you could use DeepL or Google Translate to skim the newsletter. You can subscribe to the English version of my sister newsletter, Japan Climate Curation. Thank you!

【Climate Curation配信プラットフォーム】

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

米国の上場企業対象の話ではあるものの、日本の上場企業、そして(いずれ)中小企業含め大きな影響をもたらすニュースと感じます。企業活動の中でCO2排出量の可視化・開示が必須、そして当たり前になる機運がますます高まっているようです。

"米証券取引委員会(SEC)が6日、米上場企業に開示を義務付ける規則を採択した。日米欧など世界主要地域が開示制度化で足並みをそろえる。 / 日本では23年3月期の有価証券報告書からサステナ情報の記載欄ができた。開示内容は企業に委ねられ温暖化ガスも義務ではないが、今後は求められる方向だ。サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内向けの基準を開発中で、24年3月末までに草案を出す。"

日本経済新聞

日本経済新聞

同時に一部の新興企業やサービスにとってはこうした機運は追い風となることが予想されています。

"新規則は新興企業のような非上場企業には適用されないが、炭素追跡、会計、管理の分野に注力している企業にとってはチャンスとなる。SECの新規制は、より多くの創業者がこの分野に飛び込むきっかけになるかもしれない。"

企業活動のみならず、農産物の栽培時のCO2排出量のラベル表示の仕組みもスタートとのことです。「CO2排出を減らす努力」が報われる(儲かる)ような行動変容につながるか、とても注目しています。

  • 新しい低炭素ラベル制度がスタートし、農産物の温室効果ガス排出量を「見える化」する。

  • 農林水産省提供の計算シートを用いて排出量を簡易に計算でき、地域の平均値よりも低い場合はラベル表示が可能に。

  • イトーヨーカ堂を含む小売店が採用し、消費者の商品選択にどの程度影響するかが注目されるとともに、生産者の取り組み意欲の向上が期待される。

【4】洋上風力を「次の半導体に」 急速に開発進む台湾 現地を緊急取材【サタデーステーション】[3/3 テレビ朝日]

台湾で進んでいる洋上風力発電開発の現場の現地レポートの様子がYouTubeで公開されています。

台湾の洋上風力は現在283基、日本は53基。発電設備容量は台湾は原発2基分以上に対して日本はその8分の1ほどと、かなり出遅れているとのことです。一方で日本は排他的経済水域を含めると全発電電力量のおよそ1.5倍、洋上風力だけで電力を作れるというぐらい海が広いとのことです。ここからの巻き返しに期待が膨らみます。

中国スタートアップ企業の「仁爍光能(Renshine Solar)」が、シリーズAで数億元(数十億円超)を調達し、24年中にペロブスカイト太陽電池モジュールを量産する計画 と報じられています。

こうした海外の積極的な量産化の動きを踏まえ、国内でも開発支援の動きがあるようです。

"経済産業省は再生可能エネルギーの電力を高く買う固定価格買い取り制度(FIT)で、軽くて曲がる次世代の太陽光発電装置「ペロブスカイト型」を優遇する。2025年度にも同型による発電をFITに加え、通常の太陽光発電より高く買い取る。新技術への民間投資を促し、日本の再生エネの拡大につなげる。"

【6】バッテリー価格の低下は、最終的にEV需要を押し上げると予想される[2/29 ゴールドマン・サックス・リサーチ]

ゴールドマン・サックス・リサーチによると2023年から2025年の間にEV用バッテリー価格が40%近く下落すると予想し、EVが内燃機関自動車と同等のコストになるとの見通しを伝えています。最近は国内外のメディアで「EV減速」について報じられていますが、幅広くバランスよく情報を見極めながら今後の未来予測をしていくことが大事、と改めて考えさせられます。

ゴールドマン・サックス・リサーチ

ゴールドマン・サックス・リサーチ

NewsPicksNY支局長で『グリーンジャイアンツ〜脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』著者の森川潤さんをゲストにお迎えしてのポッドキャスト番組。ドイツ2か月の滞在を経て感じた「グリーン疲れ」、という斬新な切り口がテーマでした。EVシフトの苦悩、省エネ中心のエネルギー政策等、解像度がぐっと上がる必聴の内容です。特に最後の日本との比較の箇所、現地の取材で得た感触の部分がとても貴重と感じました。独GDP3位の高揚感ほぼない(報道されてない)、水素、アンモニア、原発の利活用についての日本の方向性や考え方との違い、短期的技術よりも中長期目線の戦略なども、現地の生の声を伺い知ること出来ます。

米雑誌Time誌がまとめたグリーンテック企業トップ250社のリストが公開されました。米国内の気候テックスタートアップ企業4,600社を対象に環境へのインパクト、財務力、革新性の視点からスコアをつけランキングされたとのことです。

聞いたことも見たことない企業が多いかもしれません。ただ、今後2030年までに9兆5,000億ドルに成長すると予測されている成長市場において、いずれテレビや新聞で目にすることになる企業、取引先となる企業もあるのではないかと思います。食料、サーキュラーエコノミー、モビリティ、建築、エネルギー貯蔵、再生可能エネルギー、核融合、炭素回収、カーボンマネージメント等幅広いカテゴリーから選出されています。ぜひ興味関心のあるテーマで選出企業をチェックしてみてはいかがでしょうか?

Time

Time

11月の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利した場合、ジョー・バイデン氏の計画と比較して、2030年までに米国の排出量が40億トン増加する可能性があるとCarbon Briefの分析が明らかにしています。トランプ氏による政策により、米国はパリ協定の目標を大幅に逃す可能性が高く、2030年までに2005年レベルから28%しか削減されず、目標の50-52%からは程遠いとも分析されています。

Carbon Brief

Carbon Brief

"火力発電所で天然ガスや石炭の代わりに、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さない水素やアンモニアを使う対策が検討されているが、京都大の研究グループが、2050年に水素とアンモニアによる発電量(混焼も含む)が世界の発電量に占める割合は、最大でも1%程度にとどまると試算し、脱炭素への貢献は限定的になると分析した。"

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。

🌏Climate Curation 情報源 [気候変動・脱炭素・気候テック (climate tech ) 関連情報]:https://bit.ly/ClimateCuration_Info [ストック系情報 : 掲載数109]

*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

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