出展企業数前年比3割増(1,600社)のスマエネWeek / GX経営WEEK- 脱炭素・再エネ関連ビジネスへの注目

【1】「GX経営WEEK / スマートエネルギーWEEK」脱炭素・再エネ関連ビジネスへの注目
【3】世界のエネルギー関連CO2排出、昨年は過去最高=IEA
【5】業務スーパー流で掘り起こす世界3位の地熱資源“フランチャイズ発電”で全国展開へ
【6】「参議院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会」アーカイブ動画
市川裕康 2024.03.02
誰でも

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は2022年4月にスタートして、今年2月からは新しい配信サービスtheLetterにおいて580名を超える方に購読頂いてます。2023年9月から配信をスタートしたこちらのLinkedinニュースレターでは970名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。日本語圏以外の方にも数多く登録頂いているのですが、DeepLやGoogle翻訳等ご利用の上眺めていただけたら嬉しく思います🙂。ご登録がまだの方は以下からご登録をお願いします。

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】出展企業数前年比3割増(1,600社)のスマエネWeek / GX経営WEEK- 脱炭素・再エネ関連ビジネスへの注目

先週お伝えした通り、東京ビッグサイトで開催された「GX経営WEEK / スマートエネルギーWEEK」に2月28日と29日の2日間、参加してきました。今年で2年目の参加だったのですが、とにかく巨大な展示会で、出展社数も昨年の1,200社から今年は1,600社に拡大していて、来年は1,800社を見込んでいるとのことです。全体的に脱炭素・再エネ関連のビジネスにとても大きな追い風が吹いている様子を体感することが出来ました。

いくつか印象に残ったことを箇条書きで紹介させていただきます。

  • 略称「スマエネWeek」として20年以上に渡って開催されている展示会には以下のような分野の展示会が同時開催されています。主にBtoB向けのイベントということもあり、あまり報道やSNSを通じて目にする機会も少いかもしれませんが、国内、そして海外からも参加している人が多い印象でした(昨年の参加者実績は約6.5万人)

  • 脱炭素経営EXPOにおいてはCO2排出量可視化ツールを提供するスタートアップ、商社、金融機関等の出展が大きなスペースで展開されていて、昨年よりも存在感を増している印象を持ちました。東京証券取引所も出展し、昨年秋にスタートしたカーボンクレジット市場のプロモーションをしていたり、GX人材育成に取り組む企業なども出展していたことが印象的でした。

  • 際立っていたのは中国や韓国からの出展企業が数多く溢れているPV Expoの太陽光発電展で、世界シェアトップ5の中国メーカー(Tongwei Solar、JA Solar、Aiko Solar、Longi、Jinko Solar)がいずれも大きなブースで存在感を示していました。

  • 系統蓄電池を推進している企業も中国のCATL、BYD、パナソニック、PowerX等、大きなブースで目立っていました。またEVチャージング・ステーションを推進する分野ではEnechange、DMM等のブースも印象的でした。ポータブル電源メーカーも全て中国発の企業で5〜6社ほどが出展していました。

自分自身はそれぞれの分野の専門的な知見を持ち得ている訳ではないものの、脱炭素関連のビジネスがどのような取り組みを推進し、どこに進もうとしているかを伺う上で、いろいろなヒントが得られる場所なのではないかと思いました。来年もぜひ継続的に伺って見たいと思います。

スマートエネルギーWeekに参加する楽しみの1つとして、北海道を拠点に脱炭素分野で新しいことをいつも仕掛けている會澤高圧コンクリート社の取り組みを実際の担当者の方から伺うことです。ドローンや3Dプリンター技術を活用した洋上風力発電施設計画、ブロックチェーンやNFTの活用など、いつも驚かされます。

国際エネルギー機関(IEA)が2月28日に世界のエネルギー関連のCO2排出量が昨年過去最高を記録したとの報告書を公開。干ばつで水力発電量が減少し、化石燃料の使用が増えたことが一因。「パリ協定で定められた世界的な気候目標を達成するには、排出量の急減が必要だが、急減どころか、過去最高を記録した」としてます。昨年の世界のエネルギー関連のCO2排出量は4億1000万トン(1.1%)増の374億トン。2022年は1.3%増。

大きな期待が寄せられている洋上風力発電。スマートエネルギーWeek内のWIND Expoにも欧州、そして国内企業が数多く出展していましたが今後の発展に期待されます。

「業務スーパー」の創業者沼田昭二氏が手掛ける「地熱開発のフランチャイズ化」の取組みについて詳しく紹介されています(約10分)。

一般社団法人Climate IntegrateのX投稿で平田仁子氏が参考人として出席された調査会の動画アーカイブ(&配布資料)の存在を知り、視聴してみました。気候変動対策の現状や課題についての理解が深まる内容で、住宅や建築物の断熱化の重要性なども改めて知ることが出来ました。また、国会においてこうした気候変動対策がどのような温度感を持って議論されているかを知る、という意味でも意義ある内容、と思われます。

「住宅や建築物の断熱化」について、建て替えをせず、あまりお金をかけなくても、簡単に断熱効果を上げる方法があるとしての「窓」への注目や、補助金のことなどを知ることが出来ました。

"国内に約5000万戸ある既存住宅での省エネが進まないと、住宅分野での大幅なCO₂削減は望めない。2019年時点で現行の省エネ基準に適合していたのは、わずか13%。3割はほぼ無断熱だった。"

  • スタンフォード大学の若手気候研究者2人について、一人は化石燃料産業の役割に懐疑的で独立を主張し、もう一人は石油メジャーのエクソン・モービル社からの資金提供を受け研究をしてる様子が紹介されています。友人同士のこの二人の会話を通じ、気候変動に対抗するための技術の役割や資金提供の倫理など、複雑なテーマについて議論が行われています。

暖かかった今年の2月を振り返りつつ、桜の開花時期、昨年よりも暑くなることが予想される今年の夏について考えてみました。

2024年2月6日に登壇の機会を頂いたイベント、「ESG TECH TALK - 多様性の力:スタートアップが拓く持続可能な未来」の開催レポートが公開されています。よろしければご覧いただければ幸いです:)。

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ここまでお読みいただきありがとうございました! 今回は以上となります。もしニュースレターが有益と感じられたら、同僚、ご友人、或いはSNS等でご興味ありそうな方に共有いただけたら嬉しいです🙂。

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